チョコレートが六十一個 ページ18
「……んぁ?」
ふと目が覚めた。目を擦りながら身体を起こし、窓の外をみる。日は完全におちており、The真夜中という感じだ。
攘夷浪士のほうに動きはあったかと山崎に問おうとして違和感に気づく。
「……山崎?」
部屋中、何処を見渡しても山崎の姿が見つからない。この部屋は六畳ほどの小さな部屋だし、家具だって置いていない。つまり隠れるスペースは無いはずだ。
山崎が黙っていなくなるはずもないし、何か事件に巻き込まれたのではないかと不安が心を支配する。
その時、視界の隅で動いたモノがいた。確かにここはボロ屋だし、ネズミなんかもいるかもしれない。だが、今は真夜中。最初に思い浮かべたのは実体のないアレである。
「……いや、いやいやいやいや!? ないないないない!! ないよ!? そんな……ゆ、幽霊だなんて……」
冷や汗が止まらなく、震えも止まらない。しかし、動くものが何なのか気になるという好奇心もある。
とても怖いはずなのに好奇心には勝てなくて、モゾモゾと蠢く小さなものを暗い中で凝視する。
「……え」
それはあんぱんだった。あんが生地に包まれて焼かれたパンであった。
しかし、よくみるとやはりそのあんぱんは動いている。正確に言えば、動いているというより少しずつ大きくなっているのだ。
ガクッと足の力が抜ける。どうやら、突然の怪奇現象に腰を抜かしてしまったらしい。
だんだんと大きくなるあんぱんは、ついに私の2倍の大きさになった。
逃げなきゃ。
本能的にそう思った。しかし、まだ足に力が入らない。あんぱんから距離をとるために後退りをする。が、トンッと壁に背中があたる。
大きくなることをやめないあんぱんは、ついにジリジリと私の方へ向かってくる。
こんなにも情けない自分が嫌になるが、それよりもこのあんぱんをどうにかしなければ最悪なことになる。そんなことは分かっているのに、体が動かない。
「ぃ、いやっ……嫌ァー!!!」
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「はっ……」
目が覚め、身体を起こす。窓の外をみると、とっくに日は沈んでおり、街は寝静まっている。
ふぅー と息をつく。どうやら夢だったらしい。
全身汗びっちょりでとても気持ち悪い。大量の汗を拭っていると攘夷浪士を監察していた山崎がこちらに振り返る。
「Aちゃん、起きてって……起きてたんだね。奴らが動いたよって……大丈夫? 顔色が良くないけど」
「……あんぱんに食べられる夢をみた」
山崎は複雑な表情を浮かべならが、「後をつけるよ」と立ち上がった。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物……かもしれない!
誰かのもんじゃ
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梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今回もダークマターでした。呪われているのでしょうかね…。しかし、ダークマターって作れるものなのでしょうか?(笑)寿司を作る時も妙さん、ダークマターになっていたのでね…ある意味才能(笑) (2019年10月16日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんですって!?可笑しいですね…一応十種類以上ある筈なのですが…。ま、まぁ、お妙さんの手料理を振る舞われている訳ですから、きっとお気に入りなんでしょう!! 今回はどうでしょう?もしまたダークマターでしたら、実際に作ってみては?← (2019年10月16日 22時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今日のラッキー食べ物もダークマター!?!?ほっ他のもあっありますよね?妙さんに嫌われているのでしょうかね?近藤さんよりはマシだと思うのですがね…。G(生命力がゴキブリ)と同類…考えたくもねーや← 人生リセットボタンならぬ人生リセット食べ物ですね() (2019年10月15日 21時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんと…! ……最近、嫌な思い出はありませんか?そんなときは、ダークマター! 嫌な記憶がさっぱり抜け落ちます!もれなく良い思い出も消え去りますが…。人生のリスタートには、ダークマターが必需品です!! …何を言っているんでしょう。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 続きも気になりましたが…ラッキー食べ物がダークマター…だと!? (2019年10月13日 16時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨音 | 作成日時:2019年7月21日 21時