貴方と同じ、普通に生まれたかった2 【北信介】【呪術廻戦】 (ページ16)

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「君の気持ちも"僕は"わかるよ。」

五条先生は、そう言った。

彼は昨年、一人の人を殺した。

夏油傑。

彼は、彼にとって唯一の親友であり、相棒だった。

私はそんな二人を、子供の頃、10年前から見ていた。

彼らが高専の三年生の時、突然、決別してしまった。

私は硝子さんや、学長に何度も聞いた。
けど、誰も教えてくれなかった。

五条先生にも、聞いた。

『悟、くん…どうして、傑くんはいなくなっちゃったの？』

当時、二人は私の体術や術式を含めた先生だった。

最初は乱暴ながらにも、それでも見捨てることなく面倒を見てくれた五条先生。

そんな彼に足りない言葉や優しさ、時に厳しくも、近くにいた傑くん。

そして彼らは決別したまま、傑くんは、ーーー死んだ。

その時の、五条先生の顔は、今でも忘れることはできない。

あんな目を、私は、忘れない。

＊

任務は、兵庫にある山の奥。

そこは時に死にたいと思う人が集まり、さらに殺害がある。
また、昔はここら一帯で山火事があり、たくさんの人が死んだことから、心霊名所としても有名らしい。

「そうだ。今回の任務の事なんだけどさ、ーーー術式を使う事。これは絶対ね。」

術式を、使う事。

そんなこと言われたの初めて。

昔は、覚えるため、慣れるために使ってた。

けどいつしからか、そんなもの使わなくてもいいくらいに強くなろうと、した。

その結果、術式はいつしか使わないものだと、自分で決まりとなってしまった。

『うまく、できるかな。』

出来ればつかいたくない。

術式も、ーーーこの、瞳も。