夜明けの恋、そして君。【鬼滅の刃】〈完結〉 (ページ23)

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『＿＿＿＿＿だね＿＿鱗滝さん』

「あぁ。」

『よく眠るねぇ、義勇さん』

『あ、起きた』

Aと先生は俺を囲んで会話していた

『もうお昼ですよ』

その言葉に驚いて飛び起きる

「先生、すみません。こんな時間まで寝てしまいました」

「よく眠れたか」

「はい」

そう言って俺の頭を撫で台所に向かった

『鱗滝さん、義勇さんの寝顔が子供の頃と変わらないってにこにこでしたよ』

『ほら怒られなかったでしょう？』

そんなAもにこりと笑っていた

『鮭大根、温め直しますね』

『あ、布団は私が畳むので置いたままで大丈夫』

布団を畳もうと立ち上がると、Aは台所に向かったまま言葉を発した

俺の右腕をみてそんな事を言ったのか。布団くらいできるのに

言われた通りそのままにして、なにもできない俺は隅に身体を寄せた

ふと右手を見る

そういえばAは俺についてあんなにも聞いてきたのに、生い立ちや過去のことは一切立ち入って聞いてこなかった

ましてや気になるであろう右手の欠損についても触れてこない

台所で先生と笑顔で会話するAの顔を見つめた

1日経ってもいないのに、Aといると心地よかったような気がする
姉のように優しかった

数日先生のもとに滞在し、
帰る頃にはすっかり絆されて、俺自身もAに話しかけるようになった

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