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「僕は余ったやつでいいかな。いや、面倒とかじゃなくて本当に何でもいいんだ。僕のことは気にしないで」

「ロティ、後ろ向いて。リボンを通すから……そう。偉いね」

「こういった絵を描くだけなら僕以外でも出来る。描けば描くほど、自分に個性がないことを痛感するよ。」

「お、女の子がそんな言葉使っちゃダメ、だ、と……おもう…………」

「さっきの子?幼馴染だけど。…それ、本人には言わないでね。気を悪くするかもしれないから」

「大丈夫?僕が持つよ。…あ、結構……重い……!」

「ふふ、本当に寮長のことが好きなんだね。今日も紅茶部に顔を出すの?そう、気をつけてね」

「?……?僕の顔、何か変……?」

(あの人はロティの事を1人の女の子としては大切にしないのに、それでも愛されてて羨ましい。僕には何が足りないんだろう。せめて、もう少し綺麗な金髪だったら…………考えれば考えるほど、自分が自分じゃ無くなるみたいだ)

「……この髪型の事は大体分かった。多分出来ると思う、櫛、貸りるよ。ミストはいつものやつでいい?」

「王子様みたいだって。……ハハ こんな奴の、どこが。」

「いつも振り回されてる?それがすごく嬉しいんだよ。変わってるよね、うん、知ってる…でも本来ならきっと僕みたいなやつ、相手にされてないだろうから」

「ロティ、見て。この間ロティが言ってたお店の予約が取れたんだ。今度の休みに同室の子と一緒に行っておいでよ。…え 僕と?…………ああ、そういう事か。なら荷物持ちがいないといけないね」

「その日はロティの買い物に付き合う予定があって……あ、この日は試験が近いから勉強を見てあげないと。えーと、その次は……」

「……本当に目障りな人だな……………………」

「僕はおかしいんだ、だからもっと普通にならなきゃ、普通に…………」

「ロティの恋も、夢も、僕は全部応援するよ。昔からずっとそうしてきたからね」

「これは提案……というより交渉に近いな。まず僕は君の好きな食べ物も嫌いなアーティストも行きつけのお店も知ってる。望むなら君が働かなくたって何不自由ない暮らしを提供する事だって厭わないし、今更、君のことを何も知らない上に将来どうなるか分からない人を相手にするより僕を選んだ方が無駄がなくてずっといいと思う。……そこに、君の思いが無くても構わない。だから…僕を……あー、駄目。全部だめ。こんな事言ったら気持ち悪いよ……」

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作者名:やまざき | 作成日時:2020年6月29日 23時

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