〈３〉愛を運ぼう【夏油傑】

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 丈(たけ)が長めだから動く時に邪魔(ジャマ)だとは思うけど、とりあえず着てみる。

 下は白いショートパンツ。

 カーテンを開ける。腕(うで)を組んで仁王立(におうだ)ちをする。

「うん、似(に)合ってると思うよ」

 それなら動きやすいだろう？ とソイツは話す。


「上の丈が長めで動く時に邪魔なのと、下が白くて汚(よご)れやすいのが難点(なんてん)」

 そう言えばソイツはハハ、と笑って。

「注文(ちゅうもん)が多いね。気に入らなかった？」

「まあ、センスは悪くないと思うわ。オレに合うかは別として」

「さっきも言ったけど、私は似合っていると思うよ？」

「…興味無い」

 そりゃそうだ。夏場はいつでもＴシャツと短パンの黒いジャージのオレが、自分の服装(ふくそう)に興味があるわけが無い。

 カーテンを閉めて次の服装に着替(きが)える。


 次は半袖(はんそで)のクリームイエローの上。それは本来ボタンの無いレースブラウスと呼ばれるモノだということを、勿論(もちろん)オレは知らない。

 下はジーパンと同じ素材(そざい)の、薄(うす)い水色をしたショートパンツ。本来それはデニムのショートパンツと言うらしいけど、オレが知ってるはずもない。


「…で？」

 カーテンを開けて仁王立ちで訊(たず)ねる。

「うん、やっぱり似合っているよ。ショートパンツは動きやすいと思って選んでみたけど、どう？」

「まあ、これなら下は問題無いかもだけど、上が汚(よご)れそうなのが困るわ」

「浅上さんはここにいる間も戦うつもりかい？」

「万一に備(そな)えて言ってるだけ」

「客人にそんな事はさせないよ」

「じゃあ次」

 カーテンを閉める。

 次の上は７分袖(そで)の白いＴシャツ。ゆったりしてる。胸(むね)の部分に黒い英文字が書かれているモノだった。

 下はアイツがさっき手に持って見せてきた緑色のガウチョパンツ。

 カーテンを開ける。



 
 

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