▽ ページ45
和也side
「ほんまは嫌いなんて思ってないのに… そんなこと言うつもりなかってん…」
ひと通り出来事を話してくれた後、勢いで言ってしまったことを後悔してしゅんはぽろっと涙を流した。
「それ、ちゃんと謙杜に伝えなあかんね」
「ん……」
「もうすぐ戻ってくるんちゃうかな？謙杜もさ、大嫌いとか思ってないはずやで」
わかっとるって小さく呟いて、そっぽを向いてしまった。
照れ隠しやんな。かわいいやっちゃ。
とりあえず水分とらせて冷えピタ貼って様子見。
少しでも良くなったら泊まりの旅行は無理でも2日目に日帰り旅行くらいは行けるかもしらんやろ？
しゅんのこと看とったら、ガチャリと玄関の開く音。
謙杜戻ってきたかなって思ったんやけど、和也くーん！って俺のこと呼ぶ声がして帰ってきたのは流星やと気付いた。
「ちょっと見てくるな？」
しゅんに声をかけて流星の元へ。
「あ、和也くんただいま」
「どうしたん？タオル持ってくるな？」
「降ってきよったー」
玄関に行くとそこに居ったのはびしょびしょの流星で、どうやらあと少しで家ってところで運悪く降り出してもうたらしい。
「謙杜、濡れないとこにおるやろうか…」
流星にタオルを渡しながら考えるのは謙杜のこと。
「謙杜どうしたん？家おるんとちゃうの？」
そんな流星の質問に2人が喧嘩したことを簡潔に伝えた。
「電話とかは？した？」
そう言われてハッとして、慌ててかけてみたものの2階から着信音が鳴り響いて断念。
スマホすら持たずに出てってもうたんか。
「俺外見てくるで。なんとなく居場所見当ついとるし」
「ほんま？でも待って、ちゃんと拭いてからな」
濡れている流星の髪の毛がしがし拭いたったらもーやめて！ってちょっと怒られてもうたけど、濡れてしまってる制服の代わりにこれ着て行きって着ていたパーカー渡したらありがとうって受け取ってくれたからよし。
「じゃ、ちょっと行ってくる！」
謙杜を探しに行ってくれた流星に感謝して、俺はまたしゅんの元へ戻った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 639人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
麻李有(プロフ) - 更新いつも楽しみにしています！お話とは関係ない余談なんですが、私もお兄ちゃんしている流星可愛くて好きです！ (2021年2月11日 20時) (
レス) id: 6fa0e8953d (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - ニコさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！私のなんかで元気出して貰えるなんて…（ ; ; ）更新頻度多くはないですが、今後も宜しくお願いいたします（ ; ; ） (2021年2月11日 17時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 更新ありがとうございます!!私、最近ずっと忙しくて毎日憂鬱で辛かったんですけど、今、朝拝読させてもらって、ちょぴっと元気出ました！ありがとうございます！ (2021年2月8日 6時) (レス) id: c4b7076b4c (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - ニコさん» ありがとうございます〜！！単純脳なのでコメント嬉しくて更新ペース上がってしまいます(笑) お気遣いまでありがとうございます！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
ゆは(プロフ) - るなさん» ご期待添えず申し訳ありませんでした。こちらこそわざわざコメントありがとうございます。 (2021年1月26日 21時) (レス) id: b52a2bae21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆは | 作成日時：2020年12月27日 12時
