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綺麗に焼き目のついた、分厚くふわふわの大きなパンケーキが出来上がった。
火傷に気を付けながら波刃包丁を使用し、Aはきっちり六等分に切り分けていく。
ラギーとジャックの作ったパンケーキは粗熱を取る為にケーキクーラーに乗せられており、その後は冷蔵庫に入れて冷やされる予定だ。
｢わ〜〜っ！ ふわふわだぁ！｣
｢お望みのものでしたでしょうか｣
｢うん！｣
｢終わったな……よし、俺は寝るから起こすんじゃ――｣
｢はい、おじたん。どーぞ！｣
｢んぐっ！？｣
まだ温かなパンケーキを口に突っ込まれたレオナは、にこにこと嬉しそうに笑っているチェカを睨みつけ、その首根っこを掴んで持ち上げている。
"あの"レオナが幼子に振り回されている現状に、ラギーは腹を抱えながらひぃひぃと笑い転げていた。
子供相手に大人げない、と言わんばかりに呆れた視線を送っているジャックであったが、ぱくりとパンケーキを食べた途端に少しだけ頬を緩める。
そんな四人から少し離れた所でAがパンケーキを食べようとした時、何故かチェカがレオナの手を引いて駆け寄ってきた。
｢おねーたん！｣
｢はい、何でしょう｣
｢パンケーキの作り方を教えてくれてありがとう。僕が食べさせてあげるねっ｣
きらきらと輝く瞳に見つめられて、Aがその提案に首を横に振れるわけもなかった。
素直に口を開ければ、チェカはレオナの時とは異なり、ゆっくりとした動きでパンケーキを口に運んでくれる。
先程、レオナが咳き込みながらも何とかパンケーキを飲み込んでいたのをみていたからであろうか。
｢えへへ、おいし？｣
｢えぇ、美味しいですよ。ありがとうございます｣
｢ならもう一回……あれ、おじたん？｣
｢おら、もっかい口開けろ。今度は俺が食わせてやるよ｣
｢私、介護の必要な御老人でないので食べられますけれど｣
｢あァ？ この毛玉からは食えんのに、俺からのは食えねぇってことか？｣
変な嫉妬心を燃え上がらせたレオナからパンケーキの刺さったフォークを唇に当てられた為、Aは再び小さく口を開けたのであった。
＊
まむまむ様リクエスト、チェカ君とおじたんの御話。
リクエストありがとうございました〜！
今回はチェカ君に振り回されているレオナ先輩を、彼女がのんびりゆったり見守っているような話です。
ふわふわパンケーキは某野ねずみの二人が作ったものをモチーフにしています。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
