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勘違いして欲しくはないのだが、Aは基本的に触れられることを嫌う。
では何故、初対面のフロイドから抱き締められようとも、レオナやマレウスから過度なスキンシップをとられても怒らなかったのか。
理由は簡単で、彼らはAに対して"薄気味悪い下心を持っていなかった"からである。
｢触らないで頂きたい｣
しかし、目の前の彼らは皆とは違う。
下心丸出しで近寄ってきたと思えば、馴れ馴れしく腕を掴まれれば、彼女の堪忍袋の緒は呆気なく切れた。
振り払うという表現では優し過ぎる程の動きで手を離させ、顔に影をつくりながら男達を睨みつけたのである。
もしも此処が戦国時代であるならば、今すぐにでも彼らは蹴り飛ばされ、殴りつけられていただろう。
｢不愉快極まりない……即刻此処を立ち去りなさい｣
｢――てめェ！！｣
逆上し、反対に殴りかかってきた男達を呆れ果てた瞳で眺めつつ、彼女はその拳を受け止めようと右手を動かした。
が、しかし、拳は後ろからやって来た人物の手によって阻まれたのである。
鍛えられているが細い腕がAの腹に回り、ぎゅっと
｢何すちゅんだッ！！｣
｢はぁ！？ 何だこいつ、離せよっ……いだだだだっ！｣
｢あ"？ Aちゃんを殴るべどすた手なんかいね？｣
Aを殴ろうとした腕なんて要らない、と吐き捨てながら男の手を凄まじい力で握り締め始めたエペルの右手を、彼女はやんわりと包み込んだ。
こんな浅はかな馬鹿男共のせいで暴力沙汰が起き、エペルが喧嘩早い者だと認識されるのは御免願いたいのである。
彼が渋々力を緩めたことにより、男達は痛めた腕を押さえながら何処かへと逃げ去って行った。
｢Aちゃん、大丈夫だった！？ 殴られてない？ 怪我もしてない！？｣
｢しておりません。取り敢えずは貴方が落ち着いて下さいませ。……そして、助けて頂きありがとうございます、エペルさん｣
｢えへへっ、友達としても男としても当たり前のことしかしてないよ｣
エペルが満面の笑みを浮かべるのに釣られて、Aもほんのりと表情を緩めたのであった。
＊
月兎様リクエスト、エペル君に守られる御話。
鬼ごっこの続きの舞踏会の話がずっと書きたくて、月兎様のリクエストの護衛役エペル君を見た瞬間ひらめきました。
少し内容が違ったかもしれませんが……如何でしょうか。
ご満足頂けたら幸いです。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
