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Crewel side
これ以上、この場に留まるのは駄目だと分かった。
｢申し訳ないですが、私と彼女はこれにて失礼させて頂きます｣
魔法石を取りに行くのに巻き込まれても、オーバーブロットした寮長共に攻撃を集中砲火されようとも怒らなかったAがキレそうになっている。
キングスカラーやアーシェングロットに怒鳴ったとは聞いているが、その内容は相手の身を案じて心配した結果、"叱った"のだ。
意図せずして他人の為に行動していた彼女だが、今回の怒りはそれと違う。
｢お前らしくもない、一体どうしたんだ？｣
｢私、他者から品定めされるの嫌いなんです。取引相手や敵対関係のある相手ならまだしも、今の私はナイトレイブンカレッジの一生徒。だというのに不躾な……｣
あれだけジロジロと見られていれば仕方が無いかもしれないが、流石に此処で怒りを爆発させてくれるな。
取り敢えず落ち着かせる為に、俺は会場内のウェイターにツートーンフルーツサイダーを持って来てもらった。
Aが好んでいる甘いものを飲ませれば、多少は気分が落ち着くだろうという単純な思考だったが、どうやら功を奏したようだ。
｢申し訳ありません、多少は落ち着きました。私も未だ大人げない部分がありますね｣
｢躾のなっていない向こうが悪いだろう。これだからロイヤルソードアカデミーの連中は好まない｣
｢次に同じことをされましたら、容赦無く痛罵させて頂きます｣
｢フン、次があれば存分にやれ｣
Aのこういうところは好ましい。
他者に媚びず、嫌なことは嫌だと口にすることが出来て、尚且つ相手がどの様な立場にいようとも恐れることなく立ち向かう。
簡単に聞こえて、全く容易ではないことをサラりとやってのけるのは俺が彼女の尊敬する部分だ。
……さて、そろそろ一曲目の流れ始める時刻。
パートナーを見つけた仔犬共が位置についたのを見て、俺もAをエスコートしながら適当な場所で構えをとる。
｢そういえば、Aはダンスの経験があるのか？｣
｢一応ありますが、此処でのものと合うかは分かりません。貴方にエスコートをお任せしても？｣
｢勿論だ、安心して俺に身を委ねれば良い｣
パートナーの権利を勝ち取れなかった哀れな仔犬共からの嫉妬の視線がグサグサと背中に刺さるが、そんなものは鼻で笑ってやろう。
Aと踊りたいのならば必死に口説き落とせば良いだけだろう？
｢You’re gorgeous.｣
耳朶にキスを一つ落としてから、俺は彼女の腰を引き寄せた。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
