Request：脚が狼を養う ページ18
B組の教室では、Aとジャックにぺこりと頭を下げているエペルの姿が目撃されていた。
｢Aちゃん、ジャックくん、助けて下さい！｣
｢小テストが引っ掛かりましたか｣
｢ちゃんと勉強してんのに、何でエペルは毎回魔法薬学のテストに引っ掛かるんだろうな？｣
勤勉で努力家なジャックは別として、ユウと同じくして異世界人であるAに教えを乞うのは何だか不思議に思えるが、知的好奇心が旺盛過ぎる性格が功を奏したのだろう。
他者から頼られることは慣れているし、何よりエペルはサボって赤点をとったわけではない為、教えることに抵抗は皆無だ。
二つ返事で頷いたAとジャックに対して、エペルは満面の笑みを向けたのであった。
＊＊＊
所変わって植物園。
"習うより慣れろ"と言われるように、文献で勉強するだけよりも、実際に薬草や鉱石などを見て触れる方が良いだろうと判断した結果、三人は放課後に此処を訪れていた。
クルーウェルから謎な程の信頼と信用を寄せられているAが同行しているからこそ、危険植物が育てられている場所にも入れていたりもする。
｢どうせなら予習もしておきましょうか。明日使用する
｢確か、すっげぇ扱いづらいんじゃなかったか？｣
｢その通りです。灯火の花は養分を魔力に変換して蓄積させるのですが、開花後は魔力を花弁から放出するので、すぐに枯れてしまいます｣
｢明日はミスしないようにしないと駄目だね……｣
｢今から緊張してどうするのですか｣
肩にキュッと力を入れているエペルに多少呆れながらも、Aは灯火の花の説明をつらつらと口にしていった。
エペルが参考書片手に頷きながら聞いていたところ、後ろから背中をぽんっと一度叩かれる。
後ろを振り返ってみれば、そこにはラギーがにこにこと笑いながら立っていた。
｢ラギー先輩！ どうしたんすか？｣
｢エペルくんを部活に呼びに来たんスよ。今から実戦形式で練習するんだけど……勉強してるっぽいし、今日は休んどく？｣
｢あっ、ううっ……えぇっと、そうですね｣
｢いえ、構いませんよ。一通り説明も終わりましたし、もし何か分からないところがありましたら訪ねて来て下されば良いですしね｣
｢ほっ、ほんと！？｣
｢はい。マジフト、楽しんできて下さいね｣
エペルが抱えている参考書を抜き取り、Aが一礼してから此処を離れようとしたその時、何故かエペルに腕を掴まれた。
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神桜佳音(プロフ) - ゆるりさん» わざわざありがとうございます！更新楽しみにお待ちしておりますね！ (2020年6月13日 12時) (
レス) id: 8032f2476b (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 咲桜さん» こちらこそ素敵なリクエストありがとうございました！ (2020年6月2日 22時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
咲桜(プロフ) - リクエスト書いていただきありがとうございました！和歌のチョイスも素敵でした！ (2020年6月2日 21時) (レス) id: cb464004df (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 神桜佳音さん» そっちもありましたね！ 何となく思い浮かんだ歌を書いてたので……くっ、そっちでもよかったのに……！！ 後で出させて頂きます！ (2020年6月1日 23時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
神桜佳音(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読ませていただいております！最新の更新の話で百人一首が出ておりましたが、君がためで、監督生君は春のに続けたのでしょう？おしからざりし命さえもあったのでは…？と思ってコメントしてしまいました！更新応援しております！ (2020年6月1日 22時) (レス) id: 06bd6db604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月18日 1時
