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Aが作ったキッシュやマフィン、クッキーをお供に紅茶を飲みながら、それぞれが実際に演じてみた感想を言い始めた。
台詞を覚えるのに苦労したこと、慣れない服装をしたことで気恥しさを感じたこと、涙を流すのに苦戦したことなど。
｢いやぁ、しっかし……何でAはあんなにポロポロ泣けるわけ？｣
｢……慣れ、ですかね｣
｢慣れ！？ お前は今まで何してきたの！？｣
｢エースのツッコミは尤もだな｣
｢オレ、毎回本気で泣かせちゃったのかと思ってたもん｣
｢オフィーリアが泣きながら川に入っていくシーンは、思わず感情移入して涙が出るかと思ったよ｣
ハーツラビュル上級生組が泣く演技について話しているのを聞きつつ、マフィンをはむりと頬張っていれば、後ろから頬をぷにぷにと指でつつかれる。
Aが後ろを振り向いてみれば、そこにはカリムとジャミルが両手に溢れんばかりの菓子を持った状態で満面の笑みを浮かべているのが見えた。
｢ハムレットも面白かったけど、今度は違う話を教えてくれよ！｣
｢俺も興味がある。君さえよければ聞かせてくれ｣
｢ええ、勿論。ユウさん達もご一緒に如何です｣
｢えっ！ 聞きたい！｣
｢ラッコちゃん、ウミヘビくん、オレらもまぜてくれるよねぇ？｣
｢僕達もAさんとユウさんの世界の話には興味がありますので｣
｢お前達だけ狡いぞ。俺もAと話したい｣
｢若様の為にもお譲りしろ！｣
｢クフフ、いっそのこと攫ってしまうか？｣
先程までの平和な空気が嘘のように不穏な空気が漂い始めたその時、Aは誰かに左手首を柔く掴まれた。
そちらを見上げれてみれば、にこやかな笑みを湛えているアズールと瞳が合う。
｢――さて、Aさん｣
｢はい｣
｢今からモストロ・ラウンジに行きましょう。舞台に立った格好のまま給仕をお願いします｣
｢……あぁ、以前に仰っていた手伝いのことですね。構いませんよ｣
｢ということで、皆さんは此処で虚しく言い争いをしていて下さいね。ジェイド、フロイド、行きますよ｣
｢はい｣
｢は〜い｣
控え室から出て行く際、双子がニヒルな笑みを浮かべて彼らを見下ろしたことにより、何人かの堪忍袋の緒が切れたようだ。
後ろから大量の足音が聞こえてきた為、アズールはAの手を引いたまま駆け出したのであった。
＊
ミニ林檎様リクエスト、皆で劇をする話。
初めて書く内容でしたので、上手く書けた自信が皆無です……。
どうかお納め下さいませ。
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ゆるり(プロフ) - ゆゆ。さん» 黒執事好きですよ！！ ハムレットが出てくるんですか……！？ 漫画の購入が途中で止まっていまして……笑 近々揃えてちゃんと読んでみます！ でも！ 黒執事は凄く好きです！！！ (2020年8月20日 1時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - 凄く面白いです！(前の作品にコメごめんなさい…)ハムレットって黒執事にも出てきますよね…！もしかして作者様黒執事好きだったりしますか…？私的にはハムレット出てきて嬉しかったです（笑） (2020年8月19日 16時) (レス) id: ead64206de (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - マツリカさん» こちらこそリクエストありがとうございました！私もクルーウェル先生大好きなので書いていて楽しかったです！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - クルーウェル先生のお話ありがとうございました！！一生の宝物にしますうううつ！！！！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - えむさん» こちらこそありがとうございました！ 勿論、リクエストは受け付けております〜！私でよければまたどうぞ！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月3日 19時
