Request：薔薇の愛慕 ページ28
朝からずっと下腹部と腰が途轍もない鈍痛を訴えてきていたAは、痛みと共に発生した発散出来ない苛立ちを抱えながらも、何とか無事に授業を乗り切っていた。
お察しであろうが、一ヶ月に一回くると言われている女性特有のアレである。
元より中度の貧血だというのに、更に血を失っていることで顔色は真っ青になっているし、冬であることも相俟って酷い寒気が止まらないのだ。
しかし、今日は一週間に一度のリドルとお茶会を行う木曜日。
義理堅く、我慢強過ぎる性格のAが一度決めた約束を破ることなど出来るわけもなく、彼女はリドルの自室を訪れていた。
｢A、いらっしゃい｣
｢どうも｣
｢何だか何時もより厚着だね。風邪でもひいたのかい？｣
｢そのような状態でしたら来ておりませんよ｣
ポムフィオーレ寮生である印である紫紺のベストの上には手触りの良いグレーのカーディガンを着込み、ブレザーに加えて水色のストールを羽織っているのだから、確かにリドルの言う通りに厚着はしている。
だが、風邪をひいている訳ではない為、Aは彼の問い掛けに対して静かに頭を振った。
心配そうな表情を浮かべていたリドルだが、彼女のその答えを聞いて、ほっと安堵の息を漏らす。
｢よかった……では、お手をどうぞ｣
｢ありがとうございまっ――｣
｢A！？｣
リドルの手に己の手を重ね、一歩踏み出そうとしたその時、一気に足の力が抜けてしまった為にその場にしゃがみ込んでしまった。
やはり体調が悪かったのだろうか、無理をさせてしまったのだろうかと、リドルが嫌な想像を膨らませているのを悟ったAは彼の手をきゅっと握り締める。
慌てて床に跪き、恐る恐る彼女の背に腕を回したリドルは、彼女の体がほんの僅かに震えていることに気が付いた。
｢ど、どうしたんだい！？｣
｢体調不良ではないのですけれど……何と言いましょうか｣
｢ボクには言い難いことなのかい？｣
｢貴方だけというわけではありませんけれど……まぁ良いですかね。"月の障り"です｣
｢月の障り……つき、の！？ あ、う、そのっ……ごっ、ごめん！｣
実際には知らなかったものの、知識は頭に入っていたリドルは顔を真っ赤に染め上げて、手をワタワタとさせながら勢いよく謝罪してきた。
家族内での女性は母親だけであるし、男子校に通っていれば必然的に女性と関わる機会は少ないだろう。
何とも初心な反応をしたリドルをぼんやり見つめつつ、Aは立ち上がろうと足に力を込めた。
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ゆるり(プロフ) - ゆゆ。さん» 黒執事好きですよ！！ ハムレットが出てくるんですか……！？ 漫画の購入が途中で止まっていまして……笑 近々揃えてちゃんと読んでみます！ でも！ 黒執事は凄く好きです！！！ (2020年8月20日 1時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ。(プロフ) - 凄く面白いです！(前の作品にコメごめんなさい…)ハムレットって黒執事にも出てきますよね…！もしかして作者様黒執事好きだったりしますか…？私的にはハムレット出てきて嬉しかったです（笑） (2020年8月19日 16時) (レス) id: ead64206de (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - マツリカさん» こちらこそリクエストありがとうございました！私もクルーウェル先生大好きなので書いていて楽しかったです！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
マツリカ(プロフ) - クルーウェル先生のお話ありがとうございました！！一生の宝物にしますうううつ！！！！ (2020年5月22日 6時) (レス) id: 88d493ffab (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - えむさん» こちらこそありがとうございました！ 勿論、リクエストは受け付けております〜！私でよければまたどうぞ！ (2020年5月21日 16時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年5月3日 19時
