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漸く口を開いたケイトの本題は、Aとっては意表を突かれる内容であった。
｢あのさ、Aちゃんってリドルくんとかトレイくんのこと、避けてたりする？｣
｢いいえ、別段｣
｢それほんと！？｣
｢嘘をつく必要性がないでしょうに｣
まさかの即答、それも否定の言葉。
目を見開いたケイトはバッと勢いよくAの方に顔を向けると、肩を掴んで詰め寄った。
何故そこまで驚かれているのか分からずに、彼女は嘘をつく必要性が皆無だと言い放つ。
面倒事が嫌いなAならば嘘をつくのも手段の一つだと考えそうなものだが、生憎彼女は嘘はつかない。
勘違いしそうな表現や、色々な意味に捉えることの出来る言葉を意図的に使うことで相手を惑わし、本心を隠しているだけだ。
真意を読み取れない相手が悪い。
｢な、ならさっ、何で今日はリドルくんと一緒に登校しなかったの？｣
｢誘われていないからですね｣
｢誘ってたら、今日も一緒に行ってた……？｣
｢先約がなければ、それとリドルさんが私で良いのならば｣
彼女がきっぱり言い放った言葉に、ケイトは深い安堵の息を吐き出して体勢を崩した。
ぐでん、と何処からか引っ張り出してきたガーデンテーブルに突っ伏して、もぞもぞと何かを一人で呟いている。
はて、と隣で彼女が首を傾げているのにも気付かずに彼はひたすら、あーだのうーだの唸っていた。
｢一体何なのです……。｣
｢いや、ちょっと心配でさ。前のオーバーブロットの時に巻き込んじゃったじゃん？｣
｢貴方が強引に連れて行ったのはお分かりですか｣
｢うっ、ごめんって〜！ まあ、それで……リドルくんのこととか嫌いになってたらヤダなって｣
｢巻き込まれ体質なのは理解していますし、あの程度ならば危険性も少ないですから別に｣
危険性が少ないだなんて、ケイトは彼女が何を言っているのか理解が出来なかった。
ぽかん、と彼が口を開いたまま呆然としているので、Aはほんの少しだけ過去語りを始める。
｢私を産んだ父母は、最低最悪の人間でした｣
｢ちょ、お母さんとお父さんのことをそんな風に言っちゃ駄目で――｣
｢私の目の前で、私が絶望するのを見たいが故に妹を殺していても……そんなことを言えますか、貴方｣
衝撃の告白を聞き、彼は固まって冷や汗を流す。
内心かなり焦りながらも、ケイトは気付かれないように制服のポケットに手を突っ込んでスマホの画面を押した。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
