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｢オイ、そこのツンツン頭！｣
｢……あ？｣
その言い方は駄目だ、論外である。
元々高圧的な態度が目立っているというのに、入学式の際に大暴れをしているのを忘れているのだろうか。
彼の口調や態度を気に入らないと思っている生徒も多々存在しているのをグリムは知らないのだ。
多少苛立った様子のジャックを宥める為に、Aはエーデュースの横から小走りにで彼に近寄った。
｢すみません、ジャックさん。どうも礼儀を知らないところがありまして……謝罪は私から｣
｢お、Aじゃねぇか。どうした？ また巻き込まれてんのか？｣
｢ご名答ですね｣
｢またかよ……お前も大変だな。お前になら協力するが、何があったんだ？｣
Aが説明しようとした時、ひょこりと後ろからエーデュースが顔を出した。
｢実は最近、学園内でマジカルシフト大会の選手候補が怪我をさせられる事件が多発しているんだ｣
｢で、オレ達はその犯人を探してるんだけど｣
｢それと俺に何の関係が？｣
｢単刀直入に言うと、次に狙われそうな選手候補をマークして、犯人が現れるのを待とうって作戦デス。どお？ ちょっとオレ達に協力してくんないかな？｣
ケイトの問いかけに対して思案するように沈黙していたジャックであったが、その答えは拒否一択で取り付く島もなかった。
確かに彼はしっかり者であるし、体も鍛えているので直接的に攻撃を加えられることは少ないかもしれない。
だがしかし、怪我人全員が何故か怪我をしてしまったと証言しているのだ。
Aは怪我については半分自己責任だと考えており、誰かに仕組まれたとはいえ、受け身すらとれない彼らが悪い部分もあるとは思っていた。
特に関わりのない他人ならば別にそれで良いのだが、ジャックは親しくしているクラスメイトでもある。
流石に見捨てるわけにはいかないのだ。
｢一人でいると危ないかもしれないよ｣
｢……要らねぇって言ってんだろ。それに……俺が狙われることは、多分……ない。じゃあな｣
｢あー、行っちゃった｣
ケイトが残念そうに肩を落とし、エースがグリムの話し方を注意しているのを横目に、Aは先程のジャックの発言について考えていた。
何故彼は、狙われることはないと"多分"であろうと言い切れたのだろうか。
｢……あぁ、成程。そういうことでしたか｣
そうして、一つの結論へと辿り着いたのである。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
