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ふわぁ、と大きな欠伸をしながら体を起こし、Aの太腿から頭を上げたレオナはとても眠そうにぼんやりとしている。
｢もしかして、午前中ずっと寝てたんスか？ また必修単位落とすッスよ｣
｢スンスン……お、ちゃんと頼んだもん買えたみてぇだな｣
｢もー。レオナさんいっつも競争率高いパン頼むんだもんなぁ。はい、ご注文のデラックスメンチカツサンドとアイスティー｣
｢ばーか。手に入れるのが難しいからこそ食いたいんじゃねぇか｣
｢オレはカビさえ生えてなきゃ何でもいいっスけどね。ま、王子様のレオナさんには分かんないでしょうけど｣
｢……というか貴方、自分で手に入れていないでしょうに。ふんぞり返る前にラギーさんにお礼でもしなさいな｣
レオナの横でお姉さん座りをしながらマフィンを食べているAの指摘に、ラギーはぎょっと肩を跳ね上げた。
他人から命令されたり、説教されることが大嫌いなレオナからすれば、先程の彼女の発言は癇に障るものだろう。
冷や汗を垂らしながら、恐る恐るラギーがレオナのことを見遣ると、彼が思っていたものと違う反応であることに驚く。
｢……ありがとよ｣
｢！？ い、いえいえ！！｣
そして彼の口から感謝の言葉が紡がれた。
そのまま大口を開けてはむりとカツサンドに噛みつき、まくまくと頬張り始めたレオナの尻尾はAの腰にしっかり巻きついている。
"あの"レオナに素直に言うことを利かせた彼女は一体何者なのだろうか、そんな疑問がラギーの頭の中を満たした。
｢貴方、昼食は｣
｢オレっスか？ まだっス、今から食いに行くんで｣
｢ふむ、成程。では甘いものはお好きでしょうか｣
｢甘いものは好きっスよ！ ドーナツとか特に！｣
ぴんっ、と彼の耳が立ち上がる。
何時の間にかAのペースに乗せられて、自分のことをぺらぺらと話していることに気が付いたラギーはハッと口元を手で押さえた。
彼が内心やってしまった、と考えていることなど露知らずに彼女は何やらトートバッグをごそごそと漁っている。
｢これ、どうぞ。昨日作り過ぎてしまいまして……よければお納め下さいませ｣
｢マフィンっスか？ チョコチップ、オレンジピール、かぼちゃ、後は……苺？｣
｢鼻が良いのですね｣
｢けどこれアンタのじゃないんスか。オレ、貰っても何も返せないッスよ｣
｢別に見返りは求めていませんが……なれば、レオナさんのお世話のお小遣いです｣
その言葉にラギーはぷはっと吹き出した。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています！更新楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (
レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです！いつも素敵な作品をありがとうございます！ (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください！ (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月9日 13時
