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( ¯꒳¯ )ᐝ(フロイド君のお話は後に番外編で書きます)
*
そして二日後、Aは怒り心頭なヴィルから好きなようにドレスアップされていた。
彼曰く、あんな酷いことをされたのに態々参加してあげる優しさなんて要らないから蹴ればよかったとのこと。
怒ってはいるものの、その怒りはAに対するものではない為に手つきは至極優しい。
「今日はオフショルダーのミニドレスよ。アンタは肌が白いから何でも映えるのよね……毎回迷っちゃうわ」
前は短めだが後ろは長めで、レーススカートが何枚も重なっているので歩く度にふわふわと揺れている。
唇には赤のグロスを塗り、それに合わせてアイシャドウもレッド系で統一してメイクアップされていた。
「けどこれは気に入らないわ。マレウスのやつ……!」
ただ、マレウスによって刻まれた龍の尾と薔薇の刻印はファンデーションで隠そうとしても隠しきれなかった為、髪を下ろして誤魔化すこととした。
その為にピアスではあまり目立たないので、オフショルダーを活かしてルビーの揺れるハートのネックレスで飾っている。
「ほら、行ってらっしゃい。何かあったらすぐにアタシを呼ぶのよ。スマホは持ってるわね?」
「はい、此処に。では行ってまいります」
トン、と不機嫌そうなヴィルに背中を押されて、Aはハーツラビュル寮へと繋がる鏡を潜り抜けた。
バラの迷路を通り抜け、パーティ会場へと足を運ぶと、会場の入口付近に佇んでいるケイトにひらひらと手を振られる。
駆け寄ってきた彼に手をとられ、そのまま持ち上げられて指先に口付けを落とされた。
「ふふっ、Aちゃん、すっごく綺麗だね」
「お褒めに預かり光栄です。といっても、コーディネートは全てヴィルさんにお任せなので」
「それでも綺麗だからよくない? ねえねえ、オレと写真撮ろ?」
「はぁ……どうぞ」
了承すると、何故か唐突に彼に抱き上げられた。
自然な流れでケイトの首に腕を緩く回すと、彼の笑顔が更に明るいものとなる。
そのまま左手でインカメを構えて、ツーショットを一枚ぱしゃり。
頬を擦り寄せられた格好でぱしゃり。
「んじゃ、これが最後の一枚ね」
「はぁ、分かりました」
ふに、とAの頬に柔らかな何かが当てられた。
顔の位置は変えないまま視線だけそちらに向ければ、ケイトが瞼を閉じて自分の頬にキスをしているのが見える。
「よし、じゃあ行こっか〜」
何故か姫抱きされたまま、Aはパーティ会場へと運ばれたのだった。
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レイ - とても面白くていつも見させて頂いています!更新楽しみにしてるので頑張って下さい! (2020年4月12日 14時) (レス) id: 906bb64cc1 (このIDを非表示/違反報告)
MaO(プロフ) - 何度も読み返す程、とても面白いです!いつも素敵な作品をありがとうございます! (2020年4月10日 12時) (レス) id: 3dee49fcd0 (このIDを非表示/違反報告)
最初は、ぱー(プロフ) - 面白すぎて、イッキに読んでしまった…………。ゆるりさん無理のない程度に更新頑張ってください! (2020年4月10日 3時) (レス) id: 9e43d059be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆるり | 作成日時:2020年4月9日 13時