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エースに大鍋を落としたのはデュース・スペード。
エースと同じくハーツラビュル寮に振り分けられ、更には一年A組のクラスメイトらしい。
しかし、ここで一つ問題が起こってしまう。
ユウらに気付かれないようにして、グリムがこの場から姿を消していたのである。


「逃げたのかな?」

「でしょうね」

「冷静に判断すんな! おい、追いかけるぞ!!」


エースとユウの後ろを着いていく形で、Aとエペルもグリムを追いかけ始めた。
猫ということもあって体が小さく、ちょこまかと動き回る彼を捕まえることは至難の業となる。
追いかけ回した先に辿り着いたのは、目的の場所である大食堂。


「へっへっへ! 捕まえられるもんなら捕まえてみろ〜だゾ!」

「くっ、シャンデリアに登るとは卑怯だぞ! 飛行魔法はまだ習ってないし……何か挟んだり、捕まえたりする……はっ、そうだ!」

「何か良いアイデアが……って、おいおい、ちょい待ち! 何でマジカルペンこっち向けてんの!?」

「お前を投げればいいんだ!」


これは嫌な予感しかしない、というか失策だろう。
魔法の使えないユウと、霊力を使用出来ないA、そしてAのことを守る為に来ただけで彼らに興味はないエペル。
少し離れた所から様子を見守っていたのだが、最悪の事態を想像したAはエペルとユウの袖を引き、大食堂の隅っこへと移動した。


「冗談でしょ!? うわわわっ! 浮かすな!」


ふわふわと宙に浮かされたエースは冷や汗をかいて、手足をじたばたと動かして抵抗している。


「オレのこと投げる気かよ!? やめろマジで!」

「しっかり捕まえろよ。よく狙って……いくぞ!」


その直後、大食堂に轟音が響き渡った。
グリムはしっかりと捕まえたのだが、彼らと一緒に天井のシャンデリアが落下してきたのである。
Aが咄嗟にユウを壁に押しやり、エペルのことを抱き締めて守ったことによって二人に怪我はなかった。
が、しかし、衝撃によって巻いていたブレザーが吹き上げられたことで左太腿が露となり、シャンデリアの破片で切り傷をつくってしまう。

ピッと入った赤い線に、エペルは顔を真っ青にした。


「石像に傷をつけただけでは飽き足らず、シャンデリアまで破壊するだなんて! それにまたAさんに怪我を負わせている! もう許せません。彼女以外全員、即刻退学です!」

「「ええええ〜〜〜っ!!??」」


騒音を聞いて、急いで駆けつけてきたクロウリーによって残酷な言葉が告げられたのだった。

強引なお誘いと魔法石→←4



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にゃーちゃん - とても面白いです!これからも頑張ってください! (2021年5月16日 20時) (レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです!面白いです!! (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです!マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください!! (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆるり | 作成日時:2020年4月2日 1時

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