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｢放課後、大食堂に集合。いいですね｣
｢へぇ〜い……｣
｢昨日から散々なんだゾ！｣
｢後、Aさんも来て下さい。君には彼らの監視をお願いしますよ｣
｢……意味わがんね。行こ、Aちゃん｣
エペルに腕を引かれて、Aは一年B組の教室へと移動した。
腰に巻かれた彼のブレザーが歩く度にゆらゆらと揺れ、周囲の生徒から何事かという視線が体に突き刺さってくる。
そんな視線など気にもせず、エペルはスタスタと足早に移動し、荒々しく教室の扉を開け放って中へと入っていった。
騒動が起こってからひたすらイライラしている彼に、Aとしてもどう対応していいか分からず困惑している。
｢……ごめ、Aちゃんに怒ってらわげでね｣
｢ならいいのですけれど……あ、ブレザーを貸して頂きありがとうございました。お返し致します｣
｢えっ、いや、いいよ。けど、あと一日学校あるのにどうするの？ 僕は返さなくても大丈夫だよ？｣
｢ブレザーなら自分のものがありますし、もう秋なので薄寒い時もあるでしょう。風邪をひかれても心配ですし｣
真っ当なことを面と向かって言われてしまい、エペルは言葉に詰まりながらも彼女からブレザーを受け取った。
戻ってきたブレザーに袖を通しながらチラりと横に目を向けると、彼女のほっそりとした腕と薄い肩、括れたウエスト部分が見えて、思わずエペルは慌てて視線を逸らす。
彼が焦っていることなど露知らず、Aは自身のブレザーを脱いで机の上に置いてからポケットに入れてあった学生証などを出していた。
すると、隣からぎょっとした声が聞こえてくる。
｢うおっ……！？ お前、スカートどうしたんだ！｣
ふわふわな銀髪の男子生徒。
頭頂部には二つの大きな耳がついており、それも偽物ではなさそうで時折ぴくぴくと動いていた。
動物好きのAからすれば興味の湧く代物であり、現に彼女の目線はずっと耳に向けられている。
｢……耳｣
｢いや、俺の耳はいいんだよ！ 問題はお前の格好だ。どうしたんだ、それ？｣
｢朝、騒ぎがあったよね。あの時にAちゃんのスカートに飛び火したんだ｣
｢はぁ！？｣
グレート・セブンの一人、ハートの女王の石像が焦げてしまっただけだと思っていた朝の騒動であったが、まさか誰かに被害が出ていただなんて。
｢……何かあったら俺に頼ってくれていいからな。俺は、ジャック・ハウル。よろしくな｣
狼の彼は、Aとエペルに人柄良さそうな笑顔を向けた。
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にゃーちゃん - とても面白いです！これからも頑張ってください！ (2021年5月16日 20時) (
レス) id: 6c3b400c86 (このIDを非表示/違反報告)
しおあめ。(プロフ) - 突然のコメント失礼します。フロイドが主人公につけたあだ名の"クリオネ"は、すでにオルトを指すものとして使用されていたと思います。 (2021年4月5日 13時) (レス) id: e70718cc0c (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - はぁーー好みです！面白いです！！ (2020年5月30日 16時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
蝶妃 - 夢主ちゃんとキャラの絡みが見ていて面白いです！マレウス様やリリア様ともっと絡んで欲しいですね。これからも頑張ってください！！ (2020年4月8日 7時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
リリア - 初めまして、読んでいて楽しい作品ですね、主人公のキャラも結構好きです。勿論ゆるりさんのペースで更新頑張ってください (2020年4月7日 22時) (レス) id: 008426968d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月2日 1時
