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ふわふわのソファに座るA、彼女の膝に乗ってご満悦な稚魚の双子、そして途轍もなく機嫌の悪いフロイドとジェイド。
ガシャンっ、と大きな音を立てながら置かれたティーカップには僅かなヒビが入ってしまっていた。
「フロイド、カップを壊すな!」
「アズールうるせぇ」
Aが『
二人がオクタヴィネルの三人に向けてニンマリと意地悪い笑みを向けていることに、彼女は全くもって気付いていなかった。
Aにバレないように、見られないように細心の注意を払っているのだから当たり前である。
「こんっのやろ……!! やっぱ絞める! A、そいつらオレに渡してッ!」
「駄目ですよ、フロイド。絞めるだけでは生ぬるいです。こいつらは人間ですから海に沈めましょう」
何とも物騒な会話である。
Aとアズールが心底呆れた視線を向けているにも関わらず、フロイドとジェイドは双子を掴み上げ、どうやってこの嫉妬をぶつけてやろうか話し合っていた。
自分の分身相手だというのに大人げないし、何より何れは魔法薬の効果が切れるのだから放置しておけば良いものを。
抑えが利かないというか、変なところで怒りが込み上げてくるというか、何にしてもAからすれば巻き込まれたくない感情である。
「怖いですね、フロイド」
「ね〜、ジェイド」
「怖いなんて思ってねぇだろ! Aに抱きつくのやめろ!」
「ふふふ、死因は何がお好みですか?」
「……A」
「私ではどうとも出来ません」
「でも、貴女以外にこのカオスな状況を変えることが出来る人はいません」
「私よりも貴方の方が、お二人と付き合いが長いでしょうに。手綱を握ることなど造作もないのでは」
「あそこまでキレている双子を宥められると思うんですか!?」
この五分後、ぽふんっという可愛らしい音を立てて魔法薬の効果が切れた為、Aの膝に乗っていた双子は姿を消し、鱓のぬいぐるみだけが残されることとなった。
因みにぬいぐるみは、Aが寮へと持ち帰って抱き枕として活用していたり。
*
月華姫様リクエスト、稚魚イドに嫉妬する双子の御話。
私では絶対に思い付けない素敵なリクエストでした……! ありがとうございます!
稚魚イド可愛いですよねぇ……また登場させてみようと思います!
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太宰、乱歩などの頭脳派推し - いろんな世界に行ってるみたいなので、其処で知ったボカロなどを歌ってみてほしいです!歌ってみた的な。 (2022年3月14日 3時) (レス) @page20 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 舞夜桜さん» リクエストですね、大丈夫ですよ! 喜んで承ります〜! 少しお時間いただきますね。 (2020年7月27日 21時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
舞夜桜 - モブ男が夢主を襲う「身体中を触ったり、叩いたりする」 それを目撃したキャラが激おこする。 とか書けますでしょうか? 無理でしたら大丈夫です! (2020年7月27日 20時) (レス) id: 7970974f99 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - ミミズクさん» ありがとうございます〜!! 無理してませんよ! 楽しくやってますから! これからも頑張りますね! (2020年7月17日 9時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ミミズク - いつ見ても最高です!更新無理せず頑張ってください!!! (2020年7月16日 23時) (レス) id: e138928b3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆるり | 作成日時:2020年7月4日 16時