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｢……これ、本当に食べ物なのか？｣
｢ちゃんとした食べ物だっつの！ なーんでそこを疑うんだよ、お前｣
｢お前はそこら辺に落ちているものを手渡されて、食べられるから食べろと言われたら従うのか。凄いな｣
｢めっっちゃ鼻で笑われたんだけど！！？ 生意気過ぎねぇ！？｣
｢エース、煩いぞ。ほらA、今から僕達が全部食べてみせるから……安心して食べてくれ｣
｢これとか美味しいんだよ〜！ トレイ先輩がタルトも作ってくれたし、一杯食べようね！｣
エーデュースとユウ、ジャックを中心に、きちんと食べることの出来るものであるということを証明する為、運ばれてきた料理を一口ずつ毒味し始めた。
カレーを知らない人間にいきなりカレーを食べさせようとすれば、見た目や色から嫌がられることも多いと聞く。
そんな話を日本でぼんやりと聞いたことがあったユウの発案により、彼らはAの目の前で料理に手をつけることにしたのだ。
その作戦が功を成し、Aはかなりゆっくりではあるものの、床に並べられた皿に盛り付けられている料理に手を伸ばし出す。
トレイの作った苺タルトをフォークで一口大に分けると、恐る恐るそれを口に運ぶ。
｢今回はかなり上手く作れたんだけど……味はどうだ？｣
もぐ、もぐ、と咀嚼するAの顔を覗き込みながら、トレイは不安げに瞳を揺らした。
何時もならば美味しいなり、相変わらず上手いものだと感想が返ってくるのだが、五歳のAはかなりの辛口である。
どんな感想が貰えるのかとハラハラしていたトレイであったが、Aの紡いだ言葉を聞いた瞬間、ピシリと石の様に固まってしまった。
｢………味が、分からない。無味だ。苺のタルトというものは味がないのか｣
｢ちっっげぇよ馬鹿！！ おまっ、お前は！ 呑気か！｣
｢え、本気で言ってるのか？ 本当に甘味を感じてないのか！？｣
｢おいヴィル、薬作りに行くぞ｣
｢分かってるわよ。アタシに命令しないで｣
｢僕も手伝いますよ｣
Aが味覚障害を患っていることに気が付き、魔法薬を作りに走る者もいれば、本当に味覚障害なのかを確かめようとする者もいるし、衝撃を受けてその場に立ち尽くす者など様々だ。
五歳児の割には言葉も達者で、知識も豊富なくせに、どうして苺タルトが無味だという結論に至ったのか心底謎である。
Aの頓珍漢具合に重たい溜息をつきつつ、皆は頭を悩ませたのであった。
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太宰、乱歩などの頭脳派推し - いろんな世界に行ってるみたいなので、其処で知ったボカロなどを歌ってみてほしいです！歌ってみた的な。 (2022年3月14日 3時) (
レス) @page20 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 舞夜桜さん» リクエストですね、大丈夫ですよ！ 喜んで承ります〜！ 少しお時間いただきますね。 (2020年7月27日 21時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
舞夜桜 - モブ男が夢主を襲う｢身体中を触ったり、叩いたりする」 それを目撃したキャラが激おこする。 とか書けますでしょうか？ 無理でしたら大丈夫です！ (2020年7月27日 20時) (レス) id: 7970974f99 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - ミミズクさん» ありがとうございます〜！！ 無理してませんよ！ 楽しくやってますから！ これからも頑張りますね！ (2020年7月17日 9時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ミミズク - いつ見ても最高です！更新無理せず頑張ってください!!! (2020年7月16日 23時) (レス) id: e138928b3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年7月4日 16時
