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そんなこんなで夕食を終え、風呂を済ませたA達は、それぞれが思い思いに過ごしていた。
練習で疲れきっていたレオナは早々に眠りにつき、グリムとユウも同様に既に布団に潜り込んでいる。
先程までラギーと甘いココアを飲みながら他愛も無い話をしていたのだが、明日も早いということで彼も部屋へと戻っていった。
オンボロ寮の談話室に一人だけ残ったAは、彼らが寝ていることを気配と音で確かめてから外へ出ると、着物の懐から煙管を取り出す。
｢――もしもし｣
[あぁ、良かった。繋がりました。こんばんは、A]
｢こんばんは、ジェイドさん｣
そして、窓際に座りながら煙管を吹かしつつ、Aはジェイドと通話で話し始めた。
ウィンターホリデーに入ってすぐ位の時、ジャックと電話をしている時に発作を起こしてしまい、それをジェイドに見られてしまったことを覚えているだろうか。
あの出来事より、一定の頻度で彼からの体調チェックが入るようになっていたのだ。
[そういえば……結局、フェアリーガラに参加するんですか？]
｢半強制的に参加です。ファッションショーなんてものに参加したことなんてありませんし、誰かに見せる為の動きなんて基本しませんからねぇ。慣れないことばかりですよ｣
[ふふっ、それでも完璧にこなしていくのが貴女でしょう？]
｢……私はそこまで凄い人間ではありませんよ｣
ふぅ、と肺を満たしていた紫煙が唇の隙間から吐き出される。
この音がする度にジェイドが胸を痛めているだなんて気付くことなく、Aは雁首を窓枠に軽く当てて灰を落としていた。
何やら黙ってしまった彼のことを不思議に思い、どうしたのかと尋ねようとしたその時、電話口から少しだけ震えている声が聞こえてくる。
[見つから、ないんです]
｢……そうでしょうね｣
[貴女の症状と酷似している病すら、見付けられないんです……ナイトレイブンカレッジの図書館には世界中の本が集まっているだなんて、嘘だった]
｢貴方が死ぬわけではないでしょうに。諦めた方がよ――｣
[嫌だッ！！]
フロイドやアズールと違って、あまり心の内を外へ曝け出すことの少ないジェイドが、喉の奥から絞り出したような悲痛な声で激情を言葉とした。
普段ならば宥め、慰めるAであるが、この件に関しては何も対処をすることが出来ない。
ぽたり、と液体が何処かへ落ちる音を耳に捉えたものの、彼女は聞こえない振りをして目を閉じ、再び肺を紫煙で満たしたのであった。
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ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» ありがとうございます〜〜！ 嬉しいです……更新頑張れます！これからもどうぞ、よろしくお願い致します！ (2020年7月2日 9時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
哭狼 - ゆるり様、夢主の推察能力が半端なくて素敵でした！物語の続き楽しみにしてます。この作品が、大好きです(^^)すごく面白かったですm(__)m (2020年7月2日 2時) (レス) id: adf4aefcff (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - リリア最推しさん» 勿論出演予定ですよ！この後のお話に出てきますので、少々お待ちくださいませ！ (2020年6月28日 14時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
リリア最推し - 夢主の髪が切られたら1番黙ってない妖精王が居ますけど、出演ありですか？？ (2020年6月28日 13時) (レス) id: 1fa4972d94 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 哭狼さん» お褒めいただき光栄です〜！ 私の文章能力で、書きたいことが伝わるか不安でしたが……良かったです！ (2020年6月28日 8時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年6月21日 12時
