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『はーー…疲れたネ…』
「お疲れ。まあ、上出来なんじゃねーの？」
『ランちゃんの香水のおかげ？』
「ンなわけねーだろ」
昼ごはんのときも、今も蘭の名前を出す度あからさまに顔に出る九井に思わず笑うと何笑ってんだよ、と後頭部を叩かれる。
『イタイ』
「そのクセーのどうにかしろ」
『どーにかって…』
ムリダヨー、と泣き真似をするAの手を無理矢理引くといかにも高級そうなメゾンフレグランスへと足を踏み入れる。
「どういう匂いが好きなの」
『エッ』
「それ、お前には似合ってねーよ」
『アッ』
いつも騒がしいAが店の雰囲気に圧倒されたのか、借りてきた猫のような姿になり九井は思わず吹き出す。
まだ早かったか、とAの手を再度引くと暫く歩いたところにある小さなお店へと向かった。
「これくらいなら入りやすいだろ」
『理科室みたいダネ』
「こういう店をニッチフレグランスっつーんだよ」
『にっちふれぐらんす…』
「簡単に言えば香水専門のオーダーメイド的なもんだ」
勉強になったな、と眉間をグイグイと人差し指で押される。
『イテテテテテ』
「痛くしてんだから当たり前だろ」
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そこから一時間じっくり悩んだAは調香師さんがブレンドしてくれた香水を手首に吹きかけると、ふんわりとした甘い匂いに包まれた。
『ココ！』
「ん、いいんじゃねーの？それ、買ってやるよ。今回頑張った褒美ってことで」
『エ！ヤッター！』
ココにも分けてあげる、と今朝蘭がしたのと同じように吹きかけると全身が甘い匂いに包まれる。
『ココ、いい匂いだネ』
「随分甘ったりいな」
『へへ』
ルンルン気分のままアジトへ戻ると早々におかえりー、と蘭に抱きしめられる。
しかし剥がすように肩を押し、離れるとあからさまに嫌な顔をした蘭。
「…あ？なんで匂い変わってんだよ」
『ココが買ってくれた』
「あの野郎…」
額に青筋を浮かべながら笑顔で呟くと蘭はAを再度抱きしめ首筋へと顔を埋める。
「あーあ、せっかく蘭ちゃんとお揃いだと思ったんだけどなー」
『ランちゃんも同じのつける？！イイヨ！』
「は？」
お揃い、というワードにしか反応しなかったAが蘭に香水を吹きかけるまで残りの数秒。
Aのプチ香水ブームにより、暫くはアジト全体が甘ったるい匂いになったとかならなかったとか。
今日も弊社は元気です。
END.
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比嘉槐 - 何回読んでも面白いですwそしてやっぱりイラストが上手い！頑張ってください！！╰(*´︶`*)╯♡ (12月1日 21時) (
レス) @page15 id: 0ffcd0578b (このIDを非表示/違反報告)
一尺八寸一犀 - ハァァ…面白すぎん？なんなの？というかイラストうますぎません⁇主人公君好きです…。春ちゃんも可愛いし灰谷兄弟もイイ///これからも頑張ってください！更新楽しみに待ってます！！ (8月19日 13時) (レス) @page15 id: 58171344cf (このIDを非表示/違反報告)
774(名無し)(プロフ) - ニャオさん» わたしより上手い人は五万といます…でもそう言って貰えて嬉しいです！ありがとうございます！(´∩ω∩`*) (2021年10月23日 23時) (レス) id: 50213264b4 (このIDを非表示/違反報告)
ニャオ - あぁ、何だただの神絵師か・・・ (2021年10月23日 17時) (レス) @page1 id: 976bfd9362 (このIDを非表示/違反報告)
ふじ(プロフ) - はい、ご無理のないペースで頑張って下さい！！楽しみに待ってます！！ (2021年10月22日 22時) (レス) id: 7db00b7f42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：774(名無し) | 作成日時：2021年10月16日 0時
