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6章 お父さん ページ27

「うっ.....」


激しい頭痛が一瞬私の顔を歪ませた。


「A!大丈夫か!?苦しいのか!?」



目を覚ますと、数センチの距離に仗助の顔があった。


「いや、大丈夫です。ちょっと頭痛が__!」



仗助は私の体を強く抱きしめた。

「仗...助?」

「もう、俺を置いて何処にも行くなよ。」

ズズッと鼻をすする音が耳元で聞こえる。


「もう、俺の側から離れねぇでくれ。A」


仗助は、私の頭を子供をあやすように優しい手付きで撫でると、私の胸の中に顔を埋めた。


「何ですか.....自分で言ってて恥ずかしくなりましたか?」


私は胸の中で顔をスリスリと寄せてくる仗助を犬を撫でるように優しく撫でた。


「Aも、スッゲー顔赤いぜ。」


仗助に指摘された通り、私の顔は真っ赤になっていた。


「煩いですね。全く、困った弟だ。」


私はにこやかに微笑んだ。


ガラッと、病室の扉を開けて入って来たのは承太郎さんだった。

「あ、承太郎さん。こんにちは。スミマセン、ご迷惑をおかけして。」


承太郎さんが、私が入院した時に色々サポートしてくださったのだろうということは何となく予想がついた。


「じょ、承太郎さん?!」


仗助は抱きついていた手を離し、立ち上がった。


「なんだ、仗助。そのままでも良いんだぜ。」


少し笑って承太郎さんが仗助をからかった。


「承太郎さん。私が気絶していた間、何があったのですか?」


「そうだな、まずお前が気になっている虹村家のことだが、全員無事だ。」



「よかった.....形兆も億泰も生きていたんですね。」




「あぁ。そして、レッド・ホット・チリ・ペッパーの音石明は俺たちで倒した。





そして、今病室の外にはお前の父親がいる。」



ジョセフ。


数メートル先にジョセフがいる。


さっきシーザーには全て話して来たけど、ジョセフには私が一度死んでいることを言った方が良いのだろうか。


私はどうすれば良いかわからない。

ジョセフなら、沢山の試練を乗り越えてきたジョセフなら、どうすることが出来るのか教えてくれるかもしれない。





「呼んで下さい。私の父親を。」

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うゆ@uyu(プロフ) - 勉強は許可しないィィィ!!! (2021年11月16日 17時) (レス) @page9 id: e2f46f9938 (このIDを非表示/違反報告)
初流乃 - わ、お気に入りが!!21人の方に!?ありがとうございます (2017年3月21日 11時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
初流乃 - お待たせして、すみません!りんりんさん、応援ありがとうございました。無事、公立に合格しましたので、更新していきます! (2017年3月21日 11時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 受験頑張ってください!!p(^_^)q更新楽しみにしています!! (2017年1月14日 18時) (レス) id: fc8b7667f1 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 受験頑張ってください。応援してます!! (2017年1月13日 9時) (レス) id: fc8b7667f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:初流乃 | 作成日時:2016年12月12日 14時

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