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迅を隣に座らせ、「さっきの動きは一段とよかったよ」とその頭を撫でるA。迅が喜んで目を閉じると、Aはさらに優しい手つきで撫で続けた。
それをじっとりと見つめるカティは、「どこがだよ」と不満気だ。
「確かに齢の割には良かったかもしれないが、無駄が多すぎるだろ。実戦に出ればトリオンが尽きてすぐに死ぬさ」
「そうかな。悠一君は優れたトリオン量を持っているのに」
「それでもだ。朝から晩まで戦えるだけのトリオンはないだろう」
「まあ……それもそうか」
Aはカティの言い分に納得したような素振りを見せ、その後お茶の用意をし始めた。ティーポットで紅茶を淹れ、キッチンから金属の缶を取り出してくる。ちょっと高価なクッキーの詰め合わせの缶だ。
小南が昨日食べたいと言って「じゃあ一枚だけね」とつまみ食いさせてもらっていたものだ。いつもなら好きなだけ食べさせるのに一枚だけとは珍しい、と迅はその様子を見ていた。なるほど、あれは今日の来客のためだったのかと迅が得心する。
Aはそれをまずカティに勧め、そして迅に話しかける。
「気になっているだろうから紹介するね。彼女はカティ、本名はカタリナ。いわゆる
「ネイバー……？！」初めて見るその生物に迅は驚き復唱した。しかしAは「そう」と頷き、当のカティは「フン」と鼻を鳴らすだけである。どうやら嘘というわけでもないらしい。
Aは続けて補足した。
「カティはボーダーと友好関係にある国の、王室に縁のある人物でね。わたしたちにとって重要であることに違いはないが、畏まる必要もない。気やすく『カティ』と呼んでやって」
「…………」
「この通り気難しい子で、ボーダーのみんなとはあんまり仲が良くない。でも良いやつだから、悠一君ならきっと仲良くなれるよ」
「なるほど、よろしく！」
カティは迅が差し出した手をじろりと一瞥しそして鼻を鳴らしただけで無視を決め込んだ。迅は困ったように頭を掻きながら行き場を失った手を引っ込める。Aは「少し時間がかかりそうだね」と苦笑した。
「それからカティ、この子が迅悠一君。わたしの生き別れの弟」
「はっ？！ お前弟なんていたのか？！」
「嘘」
「A〜〜っ！」
「悠一君を無視した罰だ。君のためにゆりちゃんが人払いしてくれたんだから、協力くらいしてくれよ」
Aはそう言うと、「じゃああとは二人で！」と言い残して去っていった。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
