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「……なんでコイツまでついてきてんのよ…………」
「……。Aさん、夕飯何にするのー？」
「ふふふ、まだ視てないなら当ててごらん。カゴの中にはじゃがいもと玉ねぎ、そして今日は桐絵ちゃんがいるから……？」
「よしわかった。か」
「カレー！ ね！」
市内の某スーパーマーケットで、カートを押しながら三人で歩く。Aは三人で出かけるのがうれしいようでずっと笑顔だが、小南も迅も気分は逆。お互いに「何が悲しくて三人で買い物なんか……」と睨み合っている。お前邪魔なんだよさっさと帰れ。
AはAで、気づいているのかいないのか、どちらとも言えぬ態度である。「桐絵ちゃんが真っ先にお菓子コーナー行かないのは珍しいね」と的外れなことを言っては、迅と小南の「じゃあさっさと行ってきたら？」「ハァ？ アンタ先輩に対する態度がなってないんじゃないの？」という小声の口論の引き金を引いている。戦犯は確実にAである。
小南はたまにボーダー本部で夕食を共にしてから帰ることがある。そういったときは、Aと小南は決まってカレーライスを作るのだ。曰く、作るのが簡単だからと。
もし小南が自炊しなければならない状況に陥ったとき、カレーを作れるように訓練しているのだそうだ。おかげで小南のカレーはすでに一定の水準を超えていて、かなり美味しい。もっとも小南自身はそんな事情も知らず、ただカレー作りを極めているのだが。
Aは「ついでにお酒も持ってくるから待ってて」と言って、小南にカートを任せて駆けて行った。
「……Aさんは小南に甘いよなー」
迅がぽつりと呟く。それは客観的事実でもあり、そしてまた迅の嫉妬を含んだものでもあった。
迅だってわかっているのだ。彼女は子どもに甘いのであって、自分にも例外なく優しくしてくれてること。また、迅よりも小南の方が付き合いが長いので、もし愛情が偏っていたとしても仕方がないこと。
しかし、呟きを拾ったらしい小南は得意げにするでもなく、ただ迅を鋭く睨む。
「アンタのそういうとこがムカつくのよ。自分だけ愛されてないとかふざけたこと思ってんの？」
「思ってないし、小南には関係ないよ。お前の方が可愛がってもらってんだから」
「だからそれがムカつくってんの！ あたしは迅よりも先にAさんと出会ったのに、服なんて買ってもらったことなかったわよ！」
小南がそう言ってそっぽを向く。迅は驚いて小南を見つめた。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
