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めちゃくちゃな理屈がおかしくて、ぶっ飛んでいるはずなのに真面目に言うから本当にその通りな気がしてきて、やっぱり迅はおかしくなってけらけらと笑い始めた。Aが若干頬を染めて「笑わないでよ」とじとり、迅を睨む。この人、なんか大人の余裕って感じでかっこいい人だと思ってたけど、案外かわいい人だ。迅は思った。
だからね、悠一君、とAが強引に流れを切った。
「パワーアップはできるときにした方がいい。次はいつできるかわからないのだから」
迅は「うん」と頷いた。本当にその通りだと思った。
今ボーダーに入らなかったら、きっと二度と入れなくなるだろう。もう関わることもないだろう。生きている間はお互い気にも留めずにAと街ですれ違い、ボーダーが何たるかを知らぬまま一生を終えるのだろう。
そして今日のような、強くなる機会を見逃してしまうのだ。きっとそうなのだ。
迅はぞっとした。
Aは気まずそうに目を逸らした。
「これくらいだよ、理由なんて。満足？」
「うん、大満足。利用なんて言ってたけど、結局Aさんおれのために動いてたんじゃん？」
「大人は嘘つきだって覚えておいた方がいい。今のもどこまで本当かわからないでしょう」
「っていうのが嘘だったり？」
「……視えてた？」
「いや、勘」
「君ってやつは……」
簡単に引っかかった。ほとほと呆れたよ、とAは肩を竦めた。迅はにひひと歯を見せて笑う。Aが腹いせとばかりに迅の頭を小突こうとしたが、迅はその未来が視えていたのでひょいと避ける。腹いせすらできなかったAはもはや仏頂面だ。
「なんでそこまでわたしを信じるの。君と会ったのは今日が初めてのはずだけど」
「それを言うならAさんこそ。初対面のおれをそこまで気にかける必要ないだろ？」
「わたしは子どもが好きでね。君も例外じゃない」
「おれは未来を確信しているんだよ。未来のおれがAさんを信じてる」
「……」「……」
じっと見つめあう。互いの本音を見透かそうとしたが、あいにく瞳はまっすぐ本気だった。しかしAが「お互い素直じゃないね」ということにしたので、迅もそれに乗ることにした。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
