白の刀 ７ ページ16
〔A視点〕
「話を聞いてくれてありがとう。」
お礼で締め括られたその話は、どう反応すればいいのかわからなくなるような
でも聞いているうちに彼に対する恐怖心は薄れていた。
「ごめんなさい」
「え？」
「『許さないで。』って言われたけど、その話聞いたらどう考えたって貴方は悪くないじゃないですか。」
「え、でも、俺は君を殺そうとしたんだよ？」
「今はそんな事思ってないんですよね？
それなら悪いのは今の貴方じゃない。悪いのはあの時の貴方と、貴方をそういう存在に捻じ曲げてしまった人間だけです。」
そう伝えると困ったように笑われてしまった。
「…お人好しだねって言われない？」
「ここに居る人達のだいたいから似たような事言われましたけど、それまでは言われたことなかったです。」
少し拗ねたように告げる。
「ふふっそっか
なんか、そういう所も俺の妹と似てるわ。」
「妹さん、ですか？」
「うん。まだ人として生活してた時の血の繋がった妹。
本当は見世物小屋には妹が連れていかれるはずだったんだけど、俺が代わりになったんだ。」
妹…さっきの話の感じから、かなり昔に生きていた人。
エルフの血が入っているなら今も生きているのかもしれない。
「失礼かもしれませんけど、妹さんってどこに居るのかわかりますか？」
「死んだよ。」
「え」
「俺が連れていかれた5年後、村の奴に殺されたって手紙が来た。」
「そう、だったんですか…
すみません、こんな事聞いてしまって…」
生きているなら会わせてあげられたのかもしれなかったのに…
何もできない歯痒さと自らの考えの傲慢さに悔しささえ覚える。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 376人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - アルテアさん» コメントありがとうございます。喜んで頂けたようで何よりです。アルテアさんの満足いく姿になっていれば良いのですが。 (2019年6月22日 21時) (
レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
アルテア(プロフ) - ついにひとらんらんさんが！やったー！ありがとうございます！ (2019年6月16日 14時) (レス) id: c628398586 (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 倉の中の石さん» コメントありがとうございます。はい！頑張りますね！ (2019年6月1日 20時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年5月28日 4時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ウラシル@ひぃ | 作成日時：2019年5月26日 21時
