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紫の墓守と水の狗 13 ページ22

「『助けて欲しい』…ですか?」



「前会った時に『出ていったら他の仲間がどうなっても知らないぞとか脅してるんじゃないんですか?』って言いましたよね。
あれ、そっくりそのまま俺達が言われてるんです。」



「え…!?」


まさかとは思っていたけど本当に辛い目に合っていたのか…

ぬるくなってしまったハーブティーを啜りながら話の続きを待つ。




「信じてもらえなくていいんですけど、俺ともう1人、えっと、正確にはもっといっぱい居たんすけど、同じ場所に買われたのは俺とコネシマさんだけで、」



「大丈夫ですよ。ちゃんと聞いてますから落ち着いてゆっくり話してください。」


緊張しているのか自分でも話が纏まっていないのか、ちぐはぐに言葉を繋げていた。
まだ2回しか会っていないけどショッピさんらしからぬ態度だと感じる。




「すみません…

俺は元々見世物小屋で売られていたヘルハウンドなんです。一緒に買われたコネシマさんはケルベロスで、今の教会の司祭に墓守として買われました。」



話の切れ目に相槌を打ちながら話を促していく。
半分近く残っているフレンチトーストはもう冷めてしまったようだ。




「最初は2人で墓の番犬をしてたんです。全力を出さない限りはどっちもただの子犬なんで。
でも1回あのクソ先輩脱走しようとしやがって、その時に俺は見せしめだったのかなんなのか純正のヘルハウンドの血液を注射されてヘルハウンドの血を濃くされたんです。」



「っなにそれ…!」



「酷い話っすよね。しかもそのせいで俺は多くの人間からは見えない存在になったんです。見えたとしても影しか記憶に残らないような存在です。
何故かアンタははっきり見えてるわ覚えてるわアンタと一緒だと全員に知覚されるわで驚いたんすけどね。」



だから『興味を持った』っていう発言に対して『どこに?』って返してたのか…てっきりただの意地悪かと。




「あの時は『クソ先輩め…!!』って思ったんすけど、今はコネシマさんが捕えられて人質にされて俺が墓守してるんですよね。
なんでも俺が実験台にされてる間に戻ってきたコネシマさんが助けを呼びに行こうとまた外に出たところを見つかったみたいで…」


そんな所で心あるとこ見せんでも良かったのに…とショッピさんは声に涙を滲ませた。



そんな様子を見て私は何も言えなくなった。ショッピさんの方を見ることすら叶わず、湯気の出なくなったコーヒーに視線を落とした。

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ウラシル@ひぃ(プロフ) - パピコさん» シンプルな告白嬉しいです。ありがとうございます!はい、頑張りますね。 (2019年5月26日 21時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 夜?さん» 初コメありがとうございます。大好きと言って頂けて嬉しいです。ご期待に添えられるよう励んでいこうと思います。 (2019年5月26日 21時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
パピコ(プロフ) - 初コメかはわからないですけど言いたいことがあります。….......好きです、頑張ってください (2019年5月26日 19時) (レス) id: 3cb2acd302 (このIDを非表示/違反報告)
夜?(プロフ) - 初コメ失礼します…私このお話大好きなんです!続編がいっぱいあっても嬉しいです!!なので主さんのペースでだんだんこのお話を進めて頂ければと思います!楽しみにしてますね! (2019年5月26日 13時) (レス) id: 2a93bfb216 (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 千歳さん» ありがとうございます。ショッピさんは上手く書けているか不安だったのでそう言って頂けて安心しました。これからも楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年5月4日 20時) (レス) id: 7875aff6bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ウラシル@ひぃ | 作成日時:2019年3月9日 22時

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