(319)アビリティ ページ41
垣田「……で、何か私達に御用では?」
塔子「あ、そうそう!」
瞳子「実はこちらにエイリア学園から襲撃予告が来たと聞きまして」
垣田「襲撃予告?あぁ、その事ですか」
円堂「オレ達も、一緒に戦おうと思ってさ!」
垣田「……、そうですか。では、どうぞ。ご案内いたします」
カヤ「なんつうか、『一緒に戦おう!』って感じがしないな?」
チトセ「あぁ……」
声をひそめて話す水狂言に、柊が頷いた。
おそらくその推測は正しい。
対立する姿勢というか、挑む気迫、みたいなものがこの漫遊寺サッカー部員からは感じられないのだ。
誠実な返事を返す垣田を先頭に、雷門一同は再度廊下を練り歩く。
……もちろん、足を挫いた目金は壁山におぶられる形で移動する事となったが。
春奈「……?」
ふと、春奈が足を止めた。
内部全体が見える広い一室に、先程イタズラを仕掛けたあの少年が見えたのだ。
さっき聞いた名前……、木暮、と呼ばれていたはずだ。
木暮は雑巾を両手に2枚と、足でボールをリフティングするみたいに1枚、蹴っている。
……何やってんだ?
柊も春奈と同じくその光景を見て、そう思った。
数回ほど雑巾を蹴り上げていた木暮はさらに高く蹴り、手元の雑巾も投げてから蹴り上げた。
すでに1枚空中にあったのであろうそれも含めて4枚、天井の見せ
なだらかに滑る皆同じ方向に進み、木暮もそれを見ながら追う。
失速して時折落ちてくるそれを違う梁へまた蹴って、他も同じく、の繰り返しだ。
単調かもしれないが、これがまた小さな体を器用に素早く動かしている。
……判断力と素早さが彼の持ち味ではないか?
柊と春奈の考えが、同時に一致する。
夏未「音無さん!」
カヤ「チーちゃ〜ん?何やってんだよ、置いてくぜ?」
春奈「……!はい!」
チトセ「……悪い。というかその呼び方やめろって言ってるだろう?」
それぞれの名を呼ばれて我に返り、春奈がみんなの元へ戻った。
チトセ「…………」
その一方で、柊は後ろ髪を引かれるような感じで春奈に続いた。
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雷雨(プロフ) - マミーさん» おはようございます〜。良いですよー (2021年1月23日 7時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
マミー(プロフ) - 雷雨さん» 名前変わりました・・・ボートに書いて大丈夫ですか?? (2021年1月23日 7時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷雨さん» ありがとうございます……… (2021年1月8日 16時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雷雨(プロフ) - ハナさん» あ、どうぞどうぞ (2021年1月8日 16時) (レス) id: b56424d09c (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 雷雨さん» ここではなんですので、ボードに書いていいですか……? (2021年1月8日 15時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
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