【銀魂】高杉さんとあれこれしたい【高杉晋助】

その16 ページ42

その瞬間、私のなかで何かが崩れる音がした。



「もう我慢なんて出来ない！今までたくさん我慢してきた！貴方に嫌われたくなくて物わかりのいいふりをしてきたけど、もうそれも止める！」



次々と沸き上がってくる怒りを吐き出す私に対して、高杉さんは何も言わずに、ただ私をじっと見据えている。いつもならそんな彼を見ると怯んでしまうが、何故か今だけは高杉さんとやりあっても勝てるんじゃないかとか、そんな自信が私の中で溢れていく。


「貴方が忙しい事は知ってる！でも、例えどんなに忙しくても、本当に申し訳ないっていう気持ちがあるのなら、少しだけでも時間なんて作れるはずじゃん！」

「だから現に時間を作ろうとーー」

「でもどうせそれもキャンセルになるんだもん！わかってるもん！だからもう、デートなんてしない！二度と！貴方をデートになんか誘わない！そこを退いてよ！」



彼を押し退けようと手を振り上げたが、その腕はいとも簡単に掴まれてしまった。


「離して！もう高杉さんなんか知らない！」

「ガキじゃねーんだ、冷静になれ」

「冷静だよ！いいから離して！もう話すことなんて何もないし！」

「離さねェ」

「何でよ！」




彼の腕から逃れようと力を込めるが、高杉さんも対抗してすごい力で引っ張ってくるから、びくともしない。



「本当いい加減にーー」



言い終える前に、高杉さんが一瞬だけ力を緩め、こう言った。



「今離したら、どうせあの野郎の所に行くんだろ」

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