その4 ページ4
「考えてみるでござるよ」
「...ハイ」
「神威殿は鬼兵隊の懇意にしている取引相手でござる。しかしそれに対しての失礼な態度。晋助の顔に泥を塗っていることも同然でござる」
取り乱していた私を、流石にヤバイと思ったのか、万斉さんが仲裁に入ってきた。そして、見てわかる通り、今私はお説教を受けている。
「...スミマセンでした」
その様子をニコニコと高みの見物をしてるアイツに思わず殴り込みたくなったが、流石に今度は説教だけでは済みそうになかったので堪えた。
ちくしょう、呑気にお茶なんか啜りおって。早く帰れ。
あまりにもムカついたから、万斉さんからは見えない角度で、神威さんに向かって変顔をお見舞いしてやると、彼は「あぁん?」と言いたげな顔をしていた。けっ、ざまぁ。
「幾ら自分が嫌いな相手でも、仕事となると別でござる」
「今のは仕事じゃないもん...「口答えは許さぬ」...ゴメンナサイ」
思わず言い返すと、万斉さんのサングラス越しの目がギラリと光ってヤバかった(語彙力)のでソッコーで謝った。アイツが横で笑っている気配がするが、目の前の上司が恐ろしいので抑えた。
すると万斉さんがため息をつきながら、「どうしても嫌だっていうのなら、考え方を変えてみるといい」と言う。
「...考え方?」
「晋助はAが神威殿を嫌っていることを知っている。しかし、ある日突然、Aが神威殿と急激に仲良くなったら?」
「万斉さんまさか…!そ、それは...!!」
「あんなに嫌っていたのにどうして?っていう展開に持っていけるでござろう!」
ピシャーーン。
「...ッハ!て、天才か?!!!」
万斉さんの言葉に、雷に撃たれたような衝撃が走った。思い立ったら即行動、これが私のポリシーである。万斉さんに礼を言って、立ち上がると、嫌いなアイツに近寄った。
「ごめんなさいね、神威さん」
声色を変えて営業スマイルで近づくと、神威さんが一瞬だけ何のつもりだ?と眉を潜めた。
「貴方は"私に利用される為に"お越しくださったんでしょう?イヤァ、遠いところからわざわざ何よりですゥ〜。短い間でしょうが、精々仲良くやりましょうね!」
そういって手を差しのべる。
そしてこれは、ある意味宣戦布告とも言う。
「俺を利用するなんて、君にそんな器用な真似が出来るとは思えないけどね」
ピシッ。
はりつめた雰囲気の中、私達は握手を交わす。互いの手は、ミシミシと音をたてていた。
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます!思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします!♪ (2020年2月12日 18時) (レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、!!! そして主様更新頑張ってくださいッ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます!また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜!そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました!これからの展開が楽しみー!はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2019年10月30日 14時