検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:126,724 hit

>> ページ5

.




実家の親父から母が救急車で運ばれたと連絡があったのはそれから三日後のことだった。
朝一に、実家である埼玉の大病院に車を走らせた。



.




人「なんだよ。めちゃくちゃ焦ったじゃん・・・。ぎっくり腰で救急車って・・・」



いやそれで良かったんだけど。本当に心臓に悪い。
それでも、あっけらかんと笑う母を見て一安心。




人「あ、ちょっと電話してくる」




仕事を抜け出してきたもんだから、とりあえず直己に電話をしようと病室を出た。




スマホ片手にエレベーターを降り、外に出ようとした所で、偶然にも彼女を見つけてしまった。

あんなに探した彼女がこんな所にいるなんて。




暫くぼーっと彼女を見つめていると、不意にこちらを振り返った彼女。ハッとした顔をして急いでエレベーターに乗り込む彼女のあとを慌てて追いかけた。



「Aさん!!痛てっ!」



慌ててエレベーターに足を差し込み、扉に挟まれて悶絶する俺。かっこ悪すぎる。



眉毛を下げてどこか悲しげに笑うAさんは、扉の延長ボタンを押してくれた。





人「何、してたの・・・?すごい心配した、ていうかなんであの日結婚式にいたの?ここにいるのもわけわかんないし・・・」




口を開けば疑問疑問疑問。そんな俺を困ったように見つめるAさん。




『心配かけてごめんなさい。あの日は・・・』




Aさんがそう言いかけた時、エレベーターが止まり患者さんが数人乗り込んできた。
エレベーターの隅で二人で縮こまりながら、目を見合わせて微笑みあった。



・・・でも良かった。彼女にまた会うことが出来て。




Aさんが隣にいるだけでも十分幸せだ。




大きくなっていくエレベーターの数字を見つめながら、そう思った。




.

>>→←>>



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (130 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1950人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - kotaさん» ありがとうございます(^^)明日載せる予定なのでお楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (2019年3月31日 23時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - また新作待ってます。特に隆二くん《*≧∀≦》 (2019年3月31日 14時) (レス) id: 1738584988 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 1980noさん» いつもありがとうございますm(_ _)m隆二さんお楽しみにお待ちください(^^)! (2019年3月29日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - 葵さん『JSB SEVEN JEWELRY』の完結お疲れさまでした。m(_ _)mまた新作と@LINEの方も楽しみにして待ってます\(^^)/ (2019年3月28日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Koiru*さん» コメントありがとうございます(^^)もう少しお待ちください!m(_ _)m (2019年3月18日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年7月15日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。