>> ページ13
.
Aちゃんの頭に伸ばしかけた手を、すぐに引っ込めた。
この手を差し伸ばしてしまえばきっと、もう後戻りはできなくなる。自分がとてつもなく不甲斐ない。
『私、直己さんに出会えて良かったなあ。・・・こんな根暗な私にも良くしてくれて』
己「根暗なんかじゃない。少なくとも今は全くそんなことない。ちゃんと変わったよ、だから」
『やだ、聞きたくない・・・。その先を言わないでください』
己「でも」
お願いします。目を真っ赤にしたAちゃんと目が合って、彼女の両手が俺の右手に添えられた。
『何度も辞めようと思ったんです。でもダメでした。・・・直己さん、好きです』
己「・・・ごめ」
『分かってます、いいんです。何もいらないから、せめて直己さんの傍にいさせて下さい、・・・ダメですよね・・・』
俺の中の理性が淡く脆く崩れ落ちそうになる。
どうすればいいんだ、そんな言葉だけが頭でぐるぐると駆け巡る。
どうすればいいのかなんて、答えは分かりきっているのに。
後一歩のところで俺は、間違った方向へと進みそうになっているんだ。
そんな時、耳を劈くような音を立てて、夜空に花火が打ち上がった。
わあ綺麗・・・って俺の隣で嬉しそうに感嘆を漏らす彼女。二人の手は重なったまま。
俺はその手をそっと離した。
.
1950人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵(プロフ) - kotaさん» ありがとうございます(^^)明日載せる予定なのでお楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (2019年3月31日 23時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - また新作待ってます。特に隆二くん《*≧∀≦》 (2019年3月31日 14時) (レス) id: 1738584988 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 1980noさん» いつもありがとうございますm(_ _)m隆二さんお楽しみにお待ちください(^^)! (2019年3月29日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - 葵さん『JSB SEVEN JEWELRY』の完結お疲れさまでした。m(_ _)mまた新作と@LINEの方も楽しみにして待ってます\(^^)/ (2019年3月28日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - Koiru*さん» コメントありがとうございます(^^)もう少しお待ちください!m(_ _)m (2019年3月18日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵 | 作成日時:2018年7月15日 19時