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それからAちゃんと約束の日。
俺が待ち合わせ場所に行くと、ベンチに腰をかけていたAちゃんの顔がパァと明るくなった、気がした。
『こんにちは』
己「こんにちは」
『あの、ごめんなさい。無理を言ってしまって・・・。直人さんから聞きました。直己さんが結婚されてることも引退されたことも・・・けど、私どうしても他の人と合う気がしなくて』
己「うん。大丈夫。
最初に言っとくけど、俺は君に何もしてあげられない。それでも本当にいいの?」
俺がそう問いかけると迷う素振りも見せず、彼女は首を立てに振った。
それから、毎週のようにAちゃんと会うようになって、少しずつ彼女も明るくなっていったし、俺の気持ちも少しずつ変わってきていた。
今なら、きっと他のメンバーに合わせても大丈夫。そう思うのに、彼女と会えなくなることが何故だか寂しくて言い出すことが出来なかった。
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己「もうすっかり夏だね」
『はい、そうですね・・・、
・・・あの、夏祭りとか、行きませんか』
去年、メンバー全員とA子ちゃんで行った夏祭り。
ここら辺で一番大きなお祭りで、今年も平年通り行われることになっていた。
己「ごめん、その日は嫁と約束してて」
『そうですよね。ごめんなさい』
己「いや、俺こそごめん」
『直己さんは悪くないですから!じゃあ、ほかのとこ行きましょう!海とかも良いですね』
己「Aちゃん、俺の地元の小さな祭りがその次の日、あるんだけど。よかったら行かない・・・?」
あまりにも寂しそうな顔をする彼女に耐えきれず、そう切り出したものの、俺は何を言っているんだろうと少し後悔した。
『いいんですか・・・、、?』
己「うん。」
『嬉しい・・・、浴衣着てきます』
俺の中で彼女の存在が大きくなればなるほどそれに比例して大きくなる罪悪感。
彼女の担当をしていることは、奥さんには未だに言えていなかった。
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葵(プロフ) - kotaさん» ありがとうございます(^^)明日載せる予定なのでお楽しみにお待ちいただけると嬉しいです! (2019年3月31日 23時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
kota(プロフ) - また新作待ってます。特に隆二くん《*≧∀≦》 (2019年3月31日 14時) (レス) id: 1738584988 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 1980noさん» いつもありがとうございますm(_ _)m隆二さんお楽しみにお待ちください(^^)! (2019年3月29日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
1980no(プロフ) - 葵さん『JSB SEVEN JEWELRY』の完結お疲れさまでした。m(_ _)mまた新作と@LINEの方も楽しみにして待ってます\(^^)/ (2019年3月28日 22時) (レス) id: fb6f76b200 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - Koiru*さん» コメントありがとうございます(^^)もう少しお待ちください!m(_ _)m (2019年3月18日 7時) (レス) id: ea5accdc2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵 | 作成日時:2018年7月15日 19時