006 ページ24
.
優樹が前に「お前とHIROさん全然似てない」ってなにげなく言ったとき。
わたしが施設をでて養子にきたことを、初めて話した。
冬にママが死んでひとりぼっちになったこと
だから冬なんか嫌いだってことも。
そのとき優樹はわたしをただひたすら抱きしめて･･･
「そんなん聞いたらもう家族になってやるしかねーじゃん」って笑ってくれたね。
優樹の夢が叶ったら、結婚して
優樹の赤ちゃんを産んで
家族みんなでずーっと仲良く暮らす。
そんな未来が当たり前にくると思ってたよ。
優樹が死んだあと。
自分がどうすればいいのかわからなくて、１日中部屋にこもっては優樹を思い出す毎日。
洋子さんが何度も部屋に来て食べられそうなものを置いていってくれたけど、全然口をつけられなかった。
年が明けても学校へ行けず、食べられないからみるみる痩せてしまって。
「あなたまで死んでしまう！」と泣く洋子さんに病院に連れていかれ、そのまま入院した。
ポタポタと滴り落ちる点滴を眺めていると誰かが病室のドアをノックする。
返事をしたつもりだけど、声が出なかった。
音のあと遠慮がちに入ってきたのは直人くん。
わたしの顔を見て涙をいっぱいためながら「ごめん」と呟く。
俺が誘ったからだ、って思ってるんだ。
それは違うよって言いたくて、直人くんの手を握った。
「聞いてほしいことがあるんだ」
そう言って話し出したのは生前、優樹が直人くんに言っていたこと。
────･･･俺がNYに行ったあと、Aのことよろしくな。
あいつあー見えて死ぬほど寂しがり屋だから。
本当はNYなんか行かないで、俺がそばについててやりてえけど･･･
さっさと１人前になって迎えにくるから。
あいつと、あいつとの子ども、ダンスで食わしていけたらかっけえじゃん？
俺とAの子ども、ぜってー可愛いと思わない？
俺、あいつ以外もう考えらんねーわ！───
直人くんが教えてくれた、優樹の気持ち。
「────･･･ 優樹に会いたい」
そう泣きじゃくるわたしに直人くんが言ったの。
「お前の好きなオムライス、俺が大盛りで作ってやるから早く退院して店にこいよ。お前が壊れたら優樹さん可哀想すぎんじゃん･･･」
そのあと２人で、何時間も泣き続けた。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 699人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Me(プロフ) - 紫 Yukariさん» そうなんですね！！篤志との関係、個人的に好きだったので何か寂しいですね(T_T)これからも更新楽しみにしてます！続編嬉しいです！ (2016年5月20日 21時) (
レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
紫 Yukari(プロフ) - Meさん» コメントありがとうございます♪楽しみにしてくださって嬉しい！(●´艸`) その通り、篤志との関係は終わりました！わかりにくくて申し訳ない(>_<) (2016年5月20日 7時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
Me(プロフ) - もー（ ; ; ）次が楽しみです（ ; ; ）あの…主人公ちゃんと篤志は終わった(？)ってことですかね？？すいません…いきなりこんな事を聞いてしまって（ ; ; ） (2016年5月19日 21時) (レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
Me(プロフ) - 紫 Yukariさん» これからも読みに来ますね！笑 はい！宜しくお願いします！ (2016年5月18日 19時) (レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
紫 Yukari(プロフ) - めんめんまさん» めんめんまさん、ありがとうございます！はじめて感想を貰ってめちゃめちゃ嬉しいです･･･！初心者なので、読みにくかったりするかもしれませんが頑張りますね☆これからもよろしくお願いします(＾＾)/ (2016年5月18日 16時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫 Yukari
| 作成日時：2016年5月11日 16時
