004 ページ22
───2003年 １２月
NYに発つまでに残されたわずかな時間をめいっぱい一緒にいれるように、優樹のバイトがある日はダイニングバーに来ていたわたし。
大好きなオムライスを頬張っていると、直人くんが 「週末なにしてる？」って声をかけてきた。
彼が在籍するダンスチームのイベントに遊びにきてほしいそうで。
「俺バイト休めねーからAが行ってやってくんね？」
「んじゃ真理亜誘って行こうかな！」
.
当日、真理亜と一緒に会場に入る直前にケータイが鳴った。
優樹からのメールだった。
はしゃぎすぎんなよ！
わかってるー！
終わったら電話して！
はーい！いってきまーす！
.
直人くんのチームのダンスはめちゃくちゃカッコよくて、会場はかなり盛り上がってた。
わたしと真理亜もかなりはしゃいで･･･楽しかったな。
帰り際、直人くんたちに挨拶をしたあと会場を出た。
約束通りに電話すると、ちょうどバイトが終わったとこだと言う優樹。
「え〜じゃあ迎えにきて？ 30秒で！」
「ムリムリ、めんどい」
「本当は会いたいくせにー」
「しょうがねえな、５秒で行くよ」
それが、優樹の声を聞いた、最期。
.
真理亜と一緒に優樹を待ってた。
「あ、きたっ！」
遠くから聞こえてくるのは、聞き慣れたバイクのマフラー音。
その音はどんどん近づいてくるはずなのに･･･
途中、ものすごい衝撃音がして途絶えた。
.
────･･･ え･･･？ 何･･･？
100メールほど先の交差点。
わたしたちの場所からはカーブになっていて見えない。
なになに、事故？と騒然とする人々。
真理亜が呆然と立つだけのわたしの手を取って、交差点へ走り出した。
.
鼻先をぺしゃんこにした真っ黒のセダンが目に入る。
歩道に乗り上げ、街灯をぐにゃりと曲げていた。
もっとむこうで横倒しになっているのは優樹のバイク
そのもっともっとむこうには
「────･･･ 優･･･樹？」
.
そこからのことはもう、覚えていない。
青信号で交差点に侵入した優樹に
赤信号を無視した黒いセダンが衝突
飲酒運転だったらしい。
吹っ飛ばされた優樹は、アスファルトに強く身体を叩きつけられて
────･･･ 即死した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 699人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Me(プロフ) - 紫 Yukariさん» そうなんですね！！篤志との関係、個人的に好きだったので何か寂しいですね(T_T)これからも更新楽しみにしてます！続編嬉しいです！ (2016年5月20日 21時) (
レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
紫 Yukari(プロフ) - Meさん» コメントありがとうございます♪楽しみにしてくださって嬉しい！(●´艸`) その通り、篤志との関係は終わりました！わかりにくくて申し訳ない(>_<) (2016年5月20日 7時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
Me(プロフ) - もー（ ; ; ）次が楽しみです（ ; ; ）あの…主人公ちゃんと篤志は終わった(？)ってことですかね？？すいません…いきなりこんな事を聞いてしまって（ ; ; ） (2016年5月19日 21時) (レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
Me(プロフ) - 紫 Yukariさん» これからも読みに来ますね！笑 はい！宜しくお願いします！ (2016年5月18日 19時) (レス) id: 6de1d6cb5d (このIDを非表示/違反報告)
紫 Yukari(プロフ) - めんめんまさん» めんめんまさん、ありがとうございます！はじめて感想を貰ってめちゃめちゃ嬉しいです･･･！初心者なので、読みにくかったりするかもしれませんが頑張りますね☆これからもよろしくお願いします(＾＾)/ (2016年5月18日 16時) (レス) id: 2484694bbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫 Yukari
| 作成日時：2016年5月11日 16時
