乗り過ごし注意【志麻】

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やばい、これは修羅まーしぃまではいっていないとは思うけれど確実に怒っている



スタッフさんも顔を引きつらせていますけど、私の方が10倍はびびっている



「腹痛なAちゃんは一緒に楽屋でゆっくりしような」



全然かわいくない声で言いながら腕を掴まれたまま、私はズルズル引きずられて行く



完全にやらかしたし、タイミングも悪かったなと1人で反省会を開いていると着いてしまった浦島坂田船様の文字が貼られているドア



容赦なくドアを開けようとする志麻さんを思わず止めに入る



「他の3人も居るんですよね？
私が入ったら絶対にまずいと思うんですけど！」



「そんなん気にせんと平気やわ
あいつらだってよく友達呼んどるし」




いや、私あなたと友達ではないんですけど！？




それにこれ以上好きな人たちの裏側を見たくない




楽屋招待を楽しめるのは缶バッジくじで当てた公式的なものだけだ




「ほら、えっとここで待ってるので、志麻さんお財布だけ持って来てください」




「そんなんしたらお前また逃げようとするやろ」




なんでもお見通しかよ




「前から思っとったけど、ほんま顔に出まくるから見てて面白いわ」




「え、」




「口に出すこと冷静なのになんでそんなわかりやすいんやろって考えたら、顔に出過ぎてるんやな」



さっきの修羅から前も見たニヤニヤに戻るほど、私は間抜け顔を晒していたらしい



正直テンパっているので他の言い訳が思いつかず、黙り込んでしまう



「もう言うことないやろ
ほら行くで」



そのまま腕は引き剥がされることもできずに私はドアの中に入らされた

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