【募集企画】存在という罪-Reset-

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・忘失刑
犯罪者に対して行われる刑罰の一種。
この刑罰は、死刑と同時に、その犯罪者がいた存在の記録と記憶の削除が行われる。つまり、この刑に処された人間は「そもそも世界に存在しなかった」として扱われる。例えば高校時代にインターハイで優勝した男がこの刑に処されれば、両親、友人関わってきた全ての人の記憶からその男の存在は消える。また、出生届けなど各種文書、加えて個人的につけていた日記も消える。加えて、インターハイで優勝したのは別の人間となり、彼の所持品など存在にまつわる一切が消えてなくなる。
ただこの刑には一つ気づかれていない欠陥がある。それは、「刑に処された人間が最期の瞬間に思い浮かべた人物の記憶からは消えない」という点。死刑の代替として設置された刑で、現代の量刑でいう死刑〜無期刑に適用されることが多い。また、現代の法律では裁けない悪を犯したとされる者や、「忘失刑」の真相に迫りすぎた者、時の政府にとって厄介な情報を持った者にも適用されるという噂がある。
尚、この刑は未成年にも適用される。


・JKMO(Japan keep memories organization)
JMクラウドの運営の一部を記憶庁からの委託事業で行う機構。JKMO、略して「ジェケモ」などと呼ばれる。「記憶館」の営業などを行う。

・記憶館
一つの都道府県に二〜三個ある施設。施設内にはVR機能のあるカプセルが設置してある。このカプセルに入ると、JMクラウドに保存しておいた体験を当時のように再現してもう一度得ることができる。また、お金を払えば他の人々が公開している記憶についてもリアルに体験することができる。自分の記憶の追体験なら一回1500円、他人の記憶なら3000円〜30000円。ただし、「忘失刑」に処された人物との記憶は、自分の記憶にあったとしても再現できない。バグとして処理され、自分の記憶から消されることもある。

・公開記憶
記憶館で他の人々にも体験できるようにさせた誰かの記憶。記憶を公開する人々は「メモライザー」と呼ばれ、記憶館でのメモライザー登録で基本料金月5000円が得られ、その他は追体験された数に合わせて追加報酬が得られる。様々な体験をしてそれを公開することを生業にする者もおり、「スーパーメモライザー」と呼ばれることも。現代の小学生が就きたい職業2位。公開する記憶は、登山やスキー、友人との大喧嘩や頑張って勉強した知識など様々ある。

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