セレクト生死。 ページ40
「サテ皆、選択が終わったヨウだね！」
ロンがにこやかに言った。部屋は暗いまま、テーブルのスクリーンが明るく照り始める。
「サァ！！ 運命の“処刑される人質”は！？」
『最多得票者は――』
血文字が、ある
「――え？」
声を上げたのは、濱だった。
「何で……」
『最多得票者は“濱”であった。これより、人質である与一の処刑を始める』
ガラスの部屋にいた与一の表情が、その時になって初めて歪んだ。サクライさんやくらげさん達の処刑を見た俺なら分かる。死に直面した事が信じられない、恐怖の表情だ。
『濱……？』
与一の悲痛な声が、インカムを付けていない俺やマイマイさんにも届いた。
『……こうすりゃ生き残れるって、お前、言ったじゃん』
「……すみません……」
謝罪の言葉を口にしながらも、濱の表情は呆然としている。
「……説明するよ」と、口を開いたのは、俺だった。
「俺はマイマイさんじゃなくて、濱に投票したんだ。……濱がロンじゃなく、マイマイさんに投票すると思ったから……」
画面に、誰が誰に投票したかが浮かび上がる。
『ロン→くじら→濱⇔マイマイ』
「あ、あれあれ……？ 何で濱がマイマイに入れてるの？ 濱が投票するのはロンのはずだよね……！？」
「良いか。俺達は村人だけど、濱は違ったんだ。濱の人質が人狼。つまり、濱も人狼チームに入るんだよ」
イルカの言葉の意味。俺には、もう参加者の皆を疑う理由はないと思っていた。参加者全員が村人チームだと勘違いしていたからだ。
濱が人狼チームだとすれば、人質全員を処刑してしまって負けるわけにはいかないだろう。誰が誰に投票したかは開票後まで分からない。裏切るには絶好のタイミングだ。
「……あの短時間で、よくこんな良い順番を考えられたな。濱が俺に投票していたら、俺はロンと濱の二票、濱はマイマイさんと俺の二票で二人共処刑されるから駄目だ。濱以外の誰かだけを処刑させるには、この順番しか思いつかないよ」
濱は無言で俯いている。ロンの“人質全員を同票にして処刑する”という案に濱が乗り気だったのは、自分が裏切る事でマイマイさんを最多得票者にするためだったのだ。
だが彼の思惑とは違い、処刑されようとしているのはメイメイさんではなく、彼の友人である与一だ。
『……何で――』
ギュギュギュギュギュギュギュッ！！
与一の言葉を遮ったのは、何かが裂けたか、引き締められるような音だった。
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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