交錯レビュアー。 ページ31
「改メて、ボクはハルトロン！ 画面の向こうノ視聴者クン達も、ボクの事はロンと呼んデね！」
テーブルに立ったハルト、もといロンは部屋の隅に向けて手を振った。見ると天井近くに監視カメラのようなものが設置されている。どうやらこのゲームは中継されているらしい。
「人狼プロジェクトは、ルームマスターのゲーム参加を禁じているはずです。それが何故、貴方は参加しているのですか？」
「サッキも言ったケド、ボクらハ裏切り者だからネぇ！ 人プロだっテきっとビッくりしてるさ！ 突然、ネット配信用サーバーがハッキングされたンだかラ……」
ハッキングシタのは優秀な後輩なんダ、とロンは笑いながら、どこからともなくインカムのようなものを取り出した。
「早速ゲームを始メたいトコろなんだけど、三人ジャアつまらナイよね？ キミ達にハ、二人三脚でゲームヲして貰うよ！」
「二人三脚……？」
嫌な予感がした。ここにいる俺、マイマイさん、濱の三人だけで二人三脚は不可能だ。俺の不安を察したらしく、インカムを手渡しながら、ロンは俺にニッと笑いかけた。
「さスガ、くじらクンは察しガ良いねぇ！ 二人三脚スルのは、隣の部屋ノ相棒とだヨ！ アオ、カーテン開ケて！」
ロンがカメラに向かって呼びかけると、ゴゴゴ、という音が鳴り響く。一つの壁の真ん中にはよく見ると線が入っており、そこから壁が二つに分かれて両脇にスライドし始めた。
「えぇ……！？ な、何これ何これ！？」
壁が完全に両側に開き切り、その先に新たな部屋が現れた。一枚のガラスで隔てられたその部屋を見て、マイマイさんは驚きの声を上げ、濱も意外そうに僅かだが目を見開いている。
「皆ノ“使える相棒”を集めたヨ！ 今回は二人デ協力しテ人狼を見つケて欲しいンだ！」
部屋の中に倒れている、拉致されたらしい三人の男女。その中に――。
「イルカ……？」
呼びかけてみるが、意識が無いらしく、俺の声も届いていないようだ。ロンが、トントンと自分の左耳を指差す。
「インカムを付ケている時ダけ、相手と話ス事が出来るンダ。凄イだろう？」
インカムに付いたマイクに「大丈夫か！」などと呼びかけていると、イルカは目を覚ました。
『……？』
何かを言っているが、俺の声がインカム無しには届かないのと同じように、イルカの声もこちらには届かないようだ。
「今回ノゲームは人質アリ！ 参加者ハ死なないけド、その代わり――」
「相棒クン達に、死んでモラうよ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
