ゲーム再開。 ページ18
＊
――オマエは、誰だ？
ノイズがかった声でそう問われた。
――オマエは一体、何者なんだ？
……何者？
俺に訊ねた人物が、目の前に立っていた。
遠過ぎて、顔が見えない。けれど、その無機質な声。感情のない、平坦な口調は――。
『久し振りだな。“くじら”』
夢の中で会うのは、これで三度目になるのか。
顔は見えなくても、にやりと笑っているのが分かった。
「……さっき会ったばかりだろ」
まさか三回もゲームに巻き込まれるとは思っていなかった。しかも、一日に二回もだ。
『テメェなら大丈夫だろ。何たって、優秀な人狼ゲームの経験者だもんなァ？』
「経験したくて巻き込まれたわけじゃない。俺にとっては不可抗力だ」
『……不可抗力なァ』
彼――口調と低い声からして恐らく――は呟く。
『……不可抗力ってのは、誰にでも働くモノだ。重力と同じで、俺達は逆らえねェ。それは、人生と一緒だ。……他の奴らに、人生とは何か訊いてみろ。きっと同じ答えが返って来るぜ』
テメェの周りには物知りが多いンだろ、と笑って彼は続けた。
『……そろそろ時間だぜ。早く目覚めねェとな。……俺はここにいるから、どうせまた会うだろ』
こいつは一体、誰なのか。何者なのか。
そんな事を問う暇もなく、俺はまるで溶けるように眠くなった。
――次のゲームも頑張れよ。“くじら”――
唐突に襲ったまどろみの中で、誰かが俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
＊
「くじら！！」
「どわっ！？」
耳元で大声を出された俺は飛び起きた。
「あ、起きた起きた！！ おはよおはよー！」「……な……」
まだキンキンする片耳を押さえて、非難と戸惑いの視線を向けた俺を、女の子はにこにこと見下ろした。
「もー！ ねぼすけさんは早く起きないと、駄目駄目っ！ だよ？」
「……はぁ……」
サクラさんは全員が優秀なゲーム経験者だと言っていたが……こんな小さな子が本当に、あのゲームを何度も乗り越えて来たのか？
(この子……まだ小学生くらいじゃないのか？)
アンナさんは高校生、ライチは中学生ほどに見えたが……小学生では、そもそもゲームに参加する事自体が困難じゃないか？
「もぉー！ そもそも、大人でもゲームに参加してちゃ駄目でしょでしょっ？」
「……まぁ、それは確かに」
命懸けのゲームを楽しむなんて、正直、人としてどうかと思う。そんな風に返した時、急に誰かの鋭い視線を感じた。
「え……」
まずい、と思った俺はすぐさま振り返った。
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くろーさぎ(プロフ) - 転スラリムるさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！！アニメみたいに面白く出来ると良いんですけどねぇ……更新、頑張らせて頂きます！ (2020年3月26日 9時) (
レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - ありがとうございます！アニメ系しか見てなかったので嬉しいです！更新頑張ってください!! (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
転スラリムる - あ (2020年3月26日 9時) (レス) id: a9f5253a4a (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - オレンジ100％！さん» ありがとうございます……！！とても嬉しいです！はい、更新頑張らせて頂きます！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ100％！(プロフ) - 昨日から読み始めました！面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年10月27日 16時) (レス) id: 173ea3e1dd (このIDを非表示/違反報告)
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