優しい神山くん？【JW】

２３．緑 ページ23

 
 
 
走って来たんか、しげはちょっと息を切らして俺の前に立つ。



緑「しげ、嘘ってどういうことや」

赤「コイツの言うとることは全部嘘。Aはコイツに嵌められたんや！」

緑「は？」



背を向けていた俺は、ソイツの方をチラッと見る。

怖いくらい鋭い目つきでしげを睨んどった。



佐藤「重岡くん、私は……」

赤「“神山がAのことを地味女で使いやすい”ってAに言うたんもお前やろ？」



その言葉に女は目を見開く。

てかなんやそれ。
俺はそんな事言うてもないし、思ってもない。



赤「そのせいやで、神ちゃん」

緑「…ああ」



Aが避けてた理由、やっとわかった。

俺にも、Aにも、嘘をついた女を睨む。



佐藤「…っあんな奴のどこがいいのよ！大して可愛くもない！」

緑「まあAは特別可愛いわけでもないな」

佐藤「じゃあ…！」

緑「…ま、でも、影でコソコソと汚いことして関係を崩そうとしとるクズなお前より、断然Aの方が可愛ええからな」



一歩一歩近付いて、女の腕を掴んで耳元で囁く。

こういう事されてドキッとする女子多いんやろ？



緑「失せろ、このブスが」

佐藤「っ！」



普段出さへんような声が効いたんか、涙目になって走り去った。



緑「しげ、ありがとう」

赤「お礼言うんはまだ早いで」

緑「え？」

赤「Aにちゃんと伝えや。あの女の嘘って知らんから」



ポンっとしげに背中を押される。

“先生に上手く言うとくわ” って白い歯を見せながら笑う。

しげの優しさに感謝しつつ、俺はその場を後にした。
 

 
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長らくお待たせ致しました。

久しぶりの更新で申し訳ないです。

その間、たくさんのお気に入りありがとうございます！


Aqua.

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