四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ27)

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黄『真由美……』

真『淳太さん……！Aは、Aは……！』

黄『大丈夫や、Aは信頼できる人のもとへ預けた』

真『ああ……何故戻ってきてしまったんです……淳太さんも逃げるべきだったのに』

黄『真由美を置いていけるはずがないやろ』

真『もう私はダメです。中間の家への恨みだけが、今の私を保っている全てなんです。このまま生きることなんて……』

黄『あきらめたらダメや！Aには母親が必要なんや』

真『ああ、A……』

黄『俺がかえてみせる、母を、この村を……やからあきらめやんといてくれ』

真『淳太さん……う、ゲホッゴホッ』

黄『真由美！！』

紫『母さん、淳太兄さんはもうダメやで、大事な跡取りをどっかに隠して白状せえへん。もしかしたら……死んだ真由美義姉さんが乗り移ってるんかも』

母『お黙りなさい崇裕！』

パシンッ

母『私の淳太は……私の淳太は……』

紫『淳太兄さんは、もう母さんの知ってる淳太兄さんやない』

母『…何を言って──』

紫『母さんの愛した、中間家の跡取りである淳太兄さんは死んでしもうた。もうあの淳太兄さんは、見た目は同じでも全くの別人なんやで』

母『そんな事は──』

紫『すべては中間家のために──母さんの口癖やったよね。辛くても認めへんと、な』

母『……』

紫『大丈夫、淳太兄さんがおらんくなっても俺が母さんと父さんを支える。忌み子送りやってそうしたやろ』

母『………ええ、そうね。私には崇裕がいる』

紫『そうや。やからもう、兄さんは──

“ いらない子” よな』