四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ18)

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本殿に戻ってきた私は、カギを使って本殿の扉を開けた。

そこは、畳の薄暗い部屋だった。

「ほんとだ……普通の部屋」

少し拍子抜けしてしまった。拝殿の中のほうが神具に囲まれていたので、よほどそれらしい。

しかし、外より少し肌寒い。足元から這い上がる寒気に身震いした。

「ここにダイキくんとリュウセイくんの“お母さん”が…？」

？「タスケテ……タスケテ──をタスケテ……！」

また頭に声が聞こえてきた。

？「アアアアアァァァァ……ヤメテ………！」

「うっ！」

頭が割れるように痛い。

目を閉じて耳をふさぐ。その場に立っていられなくて思わず膝をついた。

そして再び目を開けると───

「！！」

？「オカアサン……タスケテ……」

？「イキタイ……シニタクナイ……イキタイ……イキタイ……」

？「ドウシテ……ワタシガ……」

赤子の声が、子どもの声が、頭の中にこだまする。

本殿の中心に黒いモヤのようなものから異型のものが現れた。

──あれが“お母さん”
──あれが、四ツ目神様

「ヤット……アエタ……ワタシの……」

桃「マイ！」

一瞬の出来事だった。
イミゴが私を庇って前に飛び出たのだ。

「イミゴ──！」

このままじゃ、イミゴが四ツ目神にのみ込まれる──！