四ツ目神 Ⅱ【JW】 (ページ15)

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－四ツ目神ページ15

それは古びたカギだった。

桃「そのカギを使ったら本殿に入れる」

「分かった」

桃「ホンマに大丈夫か？」

声に応えた時から心は決まっている。私はカギを強く握りしめた。

本殿を開ける前にもう少しだけ、四ツ目神社を見回ることにした。

拝殿ではダイキくんがまだいた。

赤「なぁ、マイねーちゃん」

「ん？どうしたの」

赤「それ、そのお守り」

ポケットから少しはみ出していたお守りをダイキくんは指差した。

「これ？」

私はポケットからお守りを取り出して手にのせた。物心ついたころからずっと持っている私のお守りだ。

赤「それ、オレの知ってるお守りやない」

「え、普通のお守りだよ？」

赤「だって足りへんよ」

足りない？私は手の平の上のお守りをよくよく観察してみた。

肌身離さず持ち歩いているので、端がヨレてるし紐も所々ほつれている。

朱色の布に織り込まれた金糸や鈴は、すれて色が少し変色している。

綺麗とは言いがたい状態だが、至って普通のお守りだ。

「何が足りないの？」

赤「んー……わからん！でもなんか足りへん！」

「そう言われても……」

私は困ってもう一度お守りに目を落とした。しかし何度見ても、何の変哲もない普通のお守りにしか見えない。

赤「そういうん、リュウセイの方が詳しいかも」

「リュウセイくん？分かった、聞いてみるね」

私は本殿前にいるリュウセイくんの元へと向かった。