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安室side

『やっぱりあなただったんですね。三上誠さん。』

Aさんは落ち着いた様子で告げた。

「妻を…陽子を、よくも…返せぇぇぇ!!」

一方、誠さんは怒りに任せてAさんを斬りつけようとしているが、Aさんが全て防いでいた。

『あなたは妻の陽子さんが鬼だと知っていた。それで陽子さんの気に入った人を殴り気絶させ、陽子さんに喰わせていた。違いますか?』

「…ああ、その通りだよ。何が悪いんだ!!妻が喰いたいと言ったから喰わせたんだ!お前には分からないのか!家族を思いやる心が!お前のほうがよっぽど鬼だ!」

思わず眉を潜める。恐ろしい話だ。妻のためとこの人は何人もの人を犠牲にしてきたのか。

怒りがふつふつと湧き上がる。

家族を思いやる心?笑わせるな。兄弟を犠牲にしてきたくせに。

『うるさいですね。私は鬼殺隊です。正直あなたたちの事情なんてどうでもいいんですよ。人を喰った鬼は惡鬼です。それを滅するのが私たちの仕事ですから。』

Aさんは笑顔で淡々と告げる。もしかして、こういう事はよくある事なのだろうか。

俺たちが知らない世界で。

『それに、今は鬼殺隊は政府公認の組織です。ですから、あなたも当然罪に問われます。五十人もの人を殺したも同然です。』


「黙れ、人殺し!!!」


誠さんが大きく包丁を振りかぶった。さすがにまずいと思って止めようとしたら、


『はあ、あなたは他人に責任転嫁することしかできないんですか?』

心底呆れた、と言うふうにため息をついたAさんが刀で包丁を弾き、手刀を落とした。


『「「………」」』


「…(Aさん怖ェーーーー)」

「(敵に回すべきではないな。)」

二人の男がそう誓った。





Aは先ほどの事件があった部屋を見渡した。

驚くほど静かである。


”黙れ、人殺し!!”


『人殺し、か…』


陽子さんは人をたくさん喰っていた。だから鬼殺隊士として殺した。

自分の手を見つめる。


『…この手はもう真っ黒に染まっちゃったからなぁ…』

両親を殺された日から。姉が目の前で息を引き取るのを見てから。

私は鬼への怒りを原動力に数え切れないほど鬼を殺してきた。

だけどその鬼も、誰かにとっては最愛の人なのだ。

(…止めよう、考えるのは。)

考えても仕方がない。私は私の”正義”に従うだけなのだから。


不死川さんに怒られちゃいますね、と微笑みAは音もなく部屋を去った。

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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (2月15日 14時) (レス) @page40 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めちゃくちゃ続き気になります!更新待ってます! (8月14日 20時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ハス - それぞれの正義を掲げ、進んでいく人たちがもう本当にかっこいいです!いつ続き出るかなと、毎日楽しみにしております。頑張ってください!! (8月7日 15時) (レス) @page40 id: 45098ead67 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています🥰 (4月28日 11時) (レス) @page40 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 初めまして!ユナと申します! 小説を読まさせてもらいました!とても面白いです!続きの展開が気になります!更新頑張って下さい♪ (2022年12月12日 19時) (レス) @page40 id: 2353c44e43 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なべちゃん | 作成日時:2020年7月22日 11時

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