居酒屋妄想日記 ５冊目

経験の話 ページ17

〆．



「あれっ」



お店に着き、ドアを開けようとして気がつく。



「臨時休業………」



前にもそんなことがあったようななかったような。



ドアに貼られた紙を見て、うーん、と首を傾げた。



照史さんから連絡あったっけ。



ケータイを確認すると、淳太さんから、『照史が体調不良やから今日は休みになる』と連絡が来ていた。



そっかぁ。



心配だな……。



…………………………



青「ほんで、映画観に来たんや」



「そうなんですよ……」



青「はいはい、鼻かんで」



「うう……」



話題の映画を観に行き、涙腺を大いに刺激され、号泣しているところにりゅうくんが登場。



最初は泣いてる私を見てギョッとし、「何があったんや！誰や！」と心配してくれていたりゅうくんも、



事情を知れば「明日目ぇ腫れるんちゃう？」と呆れ顔。



「だって主人公が！主人公がぁぁ……」



青「あー、はいはい」



全然泣き止まない私を、りゅうくんが抱き締める。



周りから、小さな悲鳴が聞こえた。



青「泣き止んでぇや……。好きな子の泣き顔見たら、男って我慢出来んくなんねんで？」



「……………？」



青「子供ちゃうねんから、わかるやろ？」



たった一つしか変わらないのに、どうしてこんなに大人びているんだろう。



「あの……」



慣れている、ようにしか思えない。



青「あ、俺、そゆことしたことないからな」



「っ！？」



青「意外と、大事にするタイプで。てか、うえすと全員そうちゃう？」



し、知らなくていい知識だなぁ。



だけど、ちょっぴり喜んでしまったのも事実。



青「元カノとかの話も聞いたことないし。……望とかありそうやけどな」



「確かに、一番チャラそうですもんね」



青「Aもまだ？」



「そういうこと聞きます……？」



青「まだなんやぁ。へぇー」



ニヤニヤしながら、りゅうくんが私の手を引いた。



青「Aが俺を選んでくれたら、俺から離れられへん体にしたろーっと」



「っ、ちょっと！」



公共の場で何を言ってるんだ。



……二人きりの時に言われても困るけど！！



〆．

爆発→←二人の余裕の差

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