居酒屋妄想日記 ３冊目

誰に落ちたん？ ページ17

〆．



黄「へぇ、照史と。美味かった？」



「はい！あれですよね、何度か淳太さんとも食べに行ったって…」



黄「あー、あそこね。昔からの知り合いがやってんねん。また今度行こかな」



「よろしければご一緒させてください！あのお店のご飯の虜になりましたっ」



黄「ええよ。……ご飯食べに行くん？俺とデートするん？」



「へ？！」



黄「はは、顔赤いな」



それもそうか。



「ご飯食べに行く、という名目で淳太さんとデートです」



黄「ん、そんならええかな」



にっと笑った時に見える歯が輝いてる。



淳太さんは、ちょっと曖昧。



七人に告白されたことにはなっているけれど、淳太さんのあれは告白……？



もし違ったら、淳太さんにも失礼なことしてる。



「あの、淳太さん」



黄「ん？」



「淳太さんは、その………どんな方を恋人にしたいと思いますか」



黄「どんな人？Aやけど」



あーーーー……。なるほど。



「私は……自分のこと彼女にしようとは思わないですけどね」



動揺して変なこと言っちゃった。



黄「そうなん？もったいないで、Aは世界一魅力的な子やのに。それに気付かんなんて」



ぶわあっと熱くなる顔。



黄「ま、AがAの魅力に気付かんくても、俺は気付いてもたからなぁ。Aのこと、恋人にしたくてしたくてたまらんよ」



今ももちろん、と淳太さんの指が私の髪に絡まる。



心臓がバクバクいってる。



「あ、ありがとう、ございます……」



黄「……………Aは、誰に落ちたん？」



「！？」



淳太さんは妖艶な笑みを浮かべていた。



「誰に落ちたって……」



黄「うえすとに、好きな人。おるんやろ？」



もしかしたら確信犯なのかもしれない。



「……ちょっと聞いてもらえますか？」



言ってしまおう。



はまちゃん先輩とのんちゃんにも言わなきゃ。



「私、好きな人がいるんです。………七人」



黄「………七人」



誰に話しても、やっぱりそこは引っかかるところなんだろう。



「はい。おかしな話かもしれないですけど……私、うえすとの七人全員が好きなんです」



やっぱりこれだけは言いにくくて、語尾が震えてしまう。



そんな私に向けられた淳太さんの反応が、一番正しいものだと思う。



黄「なあ、A」



「はい……」



黄「俺らのこと、馬鹿にしてるんか？」



〆．

恋って→←ごめんなさい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す