元通り ページ10
――その瞬間。
スマホが震えた。
玄関に置きっぱなしのバッグから、けたたましい着信音。
二人とも一瞬固まる。
Aは慌てて彼の胸を押して、ソファから抜け出した。
「……っ、す、すみません!」
電話に出ると、スタッフの明るい声。
『明日よろしくね!体調だけ気をつけて!』
「あ……はい!……ありがとうございます……」
必死に取り繕って通話を切る。
振り返れば、渡辺さんがソファに深く腰掛け、
片手で額を覆っていた。
指の隙間から覗いた目が、わずかに笑っている。
「……はは、邪魔されたな」
「……っ、あの……」
胸がまだ早鐘を打ってる。
「……ごめんなさい……」
渡辺さんはゆっくり立ち上がり、Aの頭を軽くぽんと叩いた。
「謝んな。……むしろ助かったかもな。
俺、このまま止められなかったかもしんねぇ」
優しい声。けれど少し崩れたその響きに、
Aの心臓はまた強く跳ねた。
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作者名:ソーダ。 | 作成日時:2025年12月13日 9時


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