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得策 ページ31

Ryohei side






それから数日。






Aは、あっさり佐久間の部屋に入っていった。








どこに行くのと尋ねれば、






「ちょっと話してきます」と一言。





悪気もなく。疑いもなく。







……本当に、警戒心が欠けている。








佐久間が悪いわけじゃない。





むしろ、あいつは分かりやすい。








明るくて、単純で、Aに向ける好意も、表に全部出ている。






だからこそ、余計に分かる。







――男は、全員狼だ。






理性で制御できるかどうかの違いでしかない。







あいつは、まだ「普通」だ。





欲を、欲のままに扱えない。





だから、今は無害。





……でも。




Aは、
そんな“普通”に惹かれる可能性がある。







それが、耐えられない。







夜、隣の壁越しに、楽しそうな笑い声が聞こえる。








ベランダに出ながらあらかじめつけておいた、




佐久間の部屋の家にある、盗 聴器の通信を聞く。







念には念を入れてるだけ。





準備はしすぎが丁度いいんだから。





べつに成人男性の暮らしを盗 聴したいわけではまっぴらない。






しかし、佐久間の声。Aの声。





胸の奥で、何かが軋む。



 

いっそ――







もう一つの隣に目移りする気があるなら、








喰ってしまえばいい。
 







散々念入りに刷り込んできたのに、我慢してきたのに、








……ああ。






こんなことを考えるなんて、本当に、俺らしくない。







表では、穏やかに微笑む。






「楽しかった?」
 





「うん! 懐かしくて!」







よかったね、と言う。ちゃんと。






どうすれば、“普通の人”との差を、
Aに気づかせずに埋められるか。





安心。

理解。

居場所。





全部、俺が先に与えてきた。






……奪われるわけがない。






佐久間大介は、ただの“普通”。






俺は、Aの世界を管理できる側だ。







その違いを、Aが自覚する前に。











もう、手遅れにしてあげるだけ。

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ソーダ。(プロフ) - 作品のタグや設定によりご不快な思いをさせてしまい、深くお詫び申し上げます。 確認不足でしたが、全作品はフィクションであり実在の団体・人物とは関係ありません。 今後は注意を払い、安心して楽しんでいただけるよう努めます。 (12月15日 16時) (レス) id: 806022be6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソーダ。 | 作成日時:2025年12月13日 9時

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